2025年の記事一覧

2025年8月20日更新オミナエシ、オオシオカラトンボ

何百年もの夏を過ごされてきた仏様も驚かれているであろう、今年の暑さ。

武相荘などの里山は街中より1〜2度は涼しく、動植物にとっては貴重なエリアになっているのかもしれません。

前週はいくらかまとまった雨も降り、森の緑からは勢いと元気が感じられます。

正面の瓦門を抜けると、右手に小展示室のBar PlayFast、隣にレストラン・カフェ武相荘、奥に茅葺き屋根のミュージアムと建物が並びます。もとはすべて白洲家の住居でした。

家族連れのお母さんが「ほら、青いトンボ、大きなトンボだね〜」とお子さんに伝えていらっしゃいました。『オオシオカラトンボ』という種類です。ゆうゆうと飛んで沢山咲いているオミナエシの中にとまりました。

レストランのテラス前。オミナエシの他にはピラミットアジサイが咲いています。
もうすぐ秋明菊も咲いてきそうです。

柿の木の下の少し日陰になったところには、鮮やかなヒオウギの花と、米粒のようなかわいい花をつけたミズヒキが咲いていました。

ミュージアムです。武相荘は8月25日から夏季休館となります。夏の展示は24日(日)まで。休み明けは9月6日(土)から、展示替えもして秋の装いでスタートいたします。

ミュージアム奥側からの眺め

入口近く、ガレージのオープンスペースへ戻ります。

休憩所になっているこのスペースに、少しですが、正子の著作を中心に、自由にご覧いただける本を設置いたしました。ご来館の際はぜひごゆるりとお過ごしください。

2025年7月29日更新「旧白洲邸 武相荘」紹介ムービー / The Former Shirasu Residence “Buaiso” – A Short Film

当館「武相荘」の主人であった白洲次郎と白洲正子、そして邸宅としての武相荘について、最新技術を駆使した映像と素晴らしい音楽で軽快に紹介していく短編ムービーが出来上がりました。

音楽は Jazztonrik 野崎良太さん、ナレーションは 海老原由佳さんがご担当くださり、自然豊かな環境にありながら、今も色褪せないスタイルの感じられる武相荘にぴったりの雰囲気を感じていただけます。

次郎・正子に関する未公開の映像や写真も散りばめ、ファンの方々にもお楽しみいただける作品に仕上がっています。ぜひお楽しみください。

2025年7月20日更新夏の緑と花々


耳を澄ますと、ジ〜〜〜ィ〜〜〜と蝉の声。
その蝉の声に合わせるでもなく、時折、時折、山鳩の鳴き声がこだましています。

数日間のまとまった雨の後、勢いを増した緑に、すっかり囲まれた武相荘です。
庭の花々も元気よく咲いています。

レストランテラスの前、今咲いているのは、桔梗、女郎花、ピラミッド紫陽花。

茅葺き屋根の武相荘ミュージアム。
白洲次郎と正子の夏の暮らしを紹介する「武相荘—夏」展を開催中です。

ミュージアム奥側の散策路入り口です。
ぐるりと散歩していただける山道は、昔ながらの里山です。

黄色い花は、テラス前にも咲いていた、女郎花(オミナエシ)

庭園内にはいろいろな植物を見ることができます。こちらはヤブカンゾウ

竹林の日陰に咲く白い花は、ヤブミョウガ

外階段の傍の大鉢。
蓮の葉が、風に揺れていました。(実はメダカとグッピーの住まいになっています)

クラッシックカーの停めてあるオープンカフェスペース。

木々を通り抜けた優しい風に、ほっと一息です。

2025年6月19日更新夏本番の邸内を散策

先日梅雨入り宣言を聞いたばかりなのに、今週は真夏日が続いています。
湿気もなく気持ちよく晴れ上がった空。

真夏が近づき、樹々の葉も一層茂ってきました。

遊歩道

毎年、大輪の花で楽しませてくれる蓮。泥の中から順々に、葉が上がってきました。

こちらは、階段の上にある休憩所。
ガレージだったこの場所には、白洲次郎が中学生の時に乗っていたのと同型のクラッシックカー PAIGE が停まっています。

蚊取り線香も本格稼働。
これからの季節に欠かせないアイテムです。

門を入って右手(写真左手)がレストランです。
今日はすでに満席でお待ちいただいているご様子。
外の緑を感じながら、カフェやランチをお楽しみいただけます。

夜のライトアップされたお庭もおすすめです。(ディナーは完全予約制)

テラスの前は沢山の草花が植えられています。
今咲いているのは、桔梗と、

目立たないのですがよく見ると可愛らしい姿の植物が花をつけています。
『ショウマ』という植物。漢方や山菜として食用にされる種類もあるそうです。
もともと武相荘の里山にも自生していたようです。

クチナシ。
雨に洗われて香りを放っているイメージがありますが、この青天・・・日陰でひっそりと咲いていました。

邸内の一番奥にあるミュージアムです。
茅葺き屋根の建物は戦前、養蚕農家であったものを、次郎と正子が買い取って、その後自分たちの生活や好みにあわせて作っていったもの。土間をタイル張りのリビングにしていたり、住まいとしての見どころも沢山あります。今は夏展を開催中です。

緑に囲まれた武相荘。ぜひ、都会とは違う空気を感じにいらしてください。

2025年6月15日更新武相荘のヒミツ100公式ガイドブック

旅行地図のようなハンディサイズに、武相荘と白洲次郎・白洲正子の知られざる情報がコレクションされた『武相荘のヒミツ100公式ガイドブック』
——武相荘だけでお求めいただける特別な一冊が登場いたしました!

本書は、9年前の2016年に小学館『和樂』の特別付録として企画・制作されたガイドブックを、今回の発行にあわせて加筆修正したものです。

制作チームには白洲正子が健在のころより武相荘に関わってくださっている方もおり、確かな情報と愛が詰まった、何より大変興味深く仕上がっている一冊です。あらためて皆さまへお届けしたく、この度当館が発行元となり、復刻させることにいたしました。

全98ページに、文字通り『100のヒミツ』を満載!

茅葺き屋根の母屋はもちろん、庭園やガレージ、倉庫のような場所にまで、白洲次郎と正子らが暮らした当時から残る『ヒミツ』を発見しています。ページをめくっているうちに、今までとは違った次郎と正子のイメージが湧いてくると思います。

ガイドブック片手に武相荘を巡っていただければ、楽しさ倍増間違い無し。
現地にお越しになれない方にも武相荘の雰囲気を存分にお楽しみいただける一冊になっています。

税込1,320円、武相荘のミュージアムショップで販売中です。(本ウェブサイトの通販ページからもご注文いただけます)ご来館の際には、ぜひ手に取ってご覧ください。

2025年6月4日更新〈第17回〉お能への誘いの会 「隅田川」

このイベントは終了いたしました。ご来場の皆様まことに有難うございました。今後のイベント予定は当ウェブサイトのほか、InstagramFacebook でもお届けしています。

舞台本番を控える一番ホットなタイミングで能楽師ご本人に登場いただき、能の魅力に迫っていく武相荘の能楽講座。

能には、非常な悲しみで正気を失った女性を中心人物に置いた“狂女物”というジャンルがあります。今回のテーマはその狂女物の代表的作品の一つ、人さらいにあった我が子を探し求めるあまりに女物狂いとなった女性を描いた「隅田川」です。

画像クリックで印刷用PDFをダウンロード

講師は9月に本番を控え、今まさに隅田川に取り組まれている能楽師のお二人、
主人公を舞うシテ方の友枝雄人氏と、音楽の中心を担う小鼓方の成田達志氏、そしてものがたりの解説をしてくださる国文学者の青柳恵介氏です。

ものがたりの解説は青柳恵介氏。隅田川がはるか東国の田舎であった時代の地域の様子や、能に影響を与えた文学をひもときながら、見どころ聞きどころを教えてくださいます。
鼎談では、世阿弥と元雅の意見が分かれたという部分の演出について、シテ方の友枝雄人氏と囃子方の成田達志氏に、それぞれのお考えをお聞きかせいただきます。今回の一つの注目ポイントです。

舞台本番に向けて取り組み中の「隅田川」から特別に、お二人で一調を実演してお聞かせくださいます。
実演の後は、小鼓の演奏体験ワークショップ。皆さんに小鼓演奏に挑戦いただきます。さて、良い音色を響かせることができるでしょうか?成田達志さんのご指導のもと、お能ならではの音、拍子を感じ取っていただきます。

毎回、能と日本文化の、かなり深いところまで入り込んでいく本講座ですが、お話と体験で、能の知識がない方にも楽しんでいただける内容となっています。(好評を博し今回17回となりました!)

興味はあるけれど触れたことが無かった方、一度は見たけれど分からなかった・・・などという方もどうぞ奮ってご参加ください。お申し込みは下記より。


開催概要・お申し込み

開催日程

2025年8月10日(日) 15:30—17:00

(開場15:00/途中休憩有り)※開始5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
お申し込み
  • 講座参加のみ、または観劇チケット付からお選びください。

    本会参加者は2025年9月6日(土)に十四世喜多六平太記念能楽堂で開催される「五蘊会」のチケットを1割引でお求めいただけます。五蘊会の詳細は下記リンク先をご確認ください(座席表あり)。
    2025年9月6日開催「五蘊会」(対談「隅田川の演出について」高桑いづみ&小田幸子/狂言「簸屑」野村万之丞/能「隅田川」友枝雄人)

    • 講座参加のみ 3,800円(税込)
    • 講座 + 五蘊会[S席]チケット 12,800円(税込)
    • 講座 + 五蘊会[A席]チケット 11,000円(税込)
    • 講座 + 五蘊会[B席]チケット 9,200円(税込)
    • 講座 + 五蘊会[C席]チケット 8,300円(税込)
    • 講座 + 五蘊会[2階自由席]チケット 7,400円(税込)
  • 本イベント参加者は、庭園内への入場無料
    入場時にチケット売り場で、本イベント参加者である旨をお伝えください。入場券(一般500円相当)をお渡しいたします。お庭散策やカフェ・レストランをお楽しみください。
    ※尚、茅葺き屋根のミュージアムへご入館の際には、別途1000円が必要となります。
  • お申し込みはこちらから/PassMarket

    クレジットカードまたはPaypayでの決済
    銀行振込がよろしい方は、上記パスマーケット画面にてチケットの販売状況をご確認の上(売切れとなっている場合がございます)、下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。
  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • イベント参加者ディナー開催!
    ※要別途お申し込み 8,800円 (お食事・ドリンク代込/税込)
    イベント終了後、参加者だけでのディナーを開催いたします。武相荘での一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。17:30〜19:30/限定20席 ※お支払いは当日/尚、なるべく現金でのお支払いをお願い申し上げます。
  • ご予約はレストランへ直接お願いいたします。
    TEL.042-708-8633(レストラン直通)
    「8月10日・お能の会のディナーを希望」とお伝えください。
    ディナーのキャンセルは8月3日までにレストランへ直接ご連絡ください。(以降はキャンセル料金が発生いたします)
募集締切とキャンセルにつきまして
  • 講座8月8日締切、ディナー7月31日締切
  • キャンセルは2024年8月3日までにご連絡ください。原則としてそれ以降のキャンセルはお受けできません。

2025年5月28日更新『武相荘の夏』展 2025

会期: 2025年5月27日(火)〜8月24日(日)
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時(入館は16時半までとなります)

写真左:きもの 芭蕉布、プレスガラス器(大正〜昭和時代)、
伊万里の鉢・大皿
写真中:きもの「めだか文」関口信男・作
写真右:リビングのテーブル/煎茶道具一式、白磁桔梗形向付
写真左:グラス各種、奥/ガラス氷菓器各種(大正~昭和)
写真右①:次郎への招待状と、正子が次郎の母へ宛てた手紙
写真右②:正子アクセサリー 古代ガラスビーズ(古墳時代)
写真左:奥座敷の掛軸 橋図団扇絵 桃山時代
写真中:次郎愛用のルイヴィトンのバッグ
写真右:奥座敷 正子のオートクチュール・イヴサンローラン
手前には伊万里各種、右端「染付千鳥文皿」小林秀雄旧蔵品

夕方、カナカナ蝉が騒がしくなる頃です。
きまって山盛りの蚕豆の鉢とビールを目の前にならべ
いつの頃からか毎年植えるようになった
刻々と花びらをひろげていく夕顔を眺めながら、
人生でも夕方を迎えていた次郎と正子の二人は
過ぎ去った昔を語り合うのが常でした。

牧山桂子