2023年の記事一覧

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2023年12月22日更新〈第15回〉お能への誘いの会
「三輪 神遊」

舞台本番を控える一番ホットなタイミングで能楽師ご本人に登場いただき、能の魅力に迫っていく武相荘の能楽講座。熱量高く、初心者にも、テーマをより深く知りたい方にも、楽しんでいただける会です。

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講師は、4月に国立能楽堂でこの「三輪 神遊」舞台本番に挑まれる、主人公を舞うシテ方の友枝雄人氏と、小鼓方の成田達志氏、そして国文学者の青柳恵介氏です。

今回のテーマ「三輪」は、奈良にある三輪山の伝説を題材にして、室町時代に世阿弥が作能した曲です。三輪山の伝説については白洲正子も著していますので、少しご紹介してみましょう。

うまさけを三輪のはふりが祝ふ杉手ふれし罪か君に逢ひがたき

万葉集・丹波大女娘子(たにはのおおめおとめ)

 うまさけ(味酒)は、三輪の枕詞、はふり(祝)は神官の意で、その神官がいつきまつる三輪の神杉に手をふれた罪で、あなたに逢うことができないのでしょうか、と嘆いた歌である。
 この一首の中には、酒と、杉と、男女の交りと、三輪山にまつわる歴史のすべてが秘められている。三輪は大和の中でもっとも古くから崇められた神山で、古事記には、その山の神が、夜な夜なイクタマヨリ姫のもとへ通ったと記されている。やがて姫は身籠ったが、夫が誰ともわからぬので、麻糸を針に通して、ひそかに男の衣の裾に縫いつけておいた。明方になって、男が去ったあとを辿ってみると、その糸は鉤穴を通りぬけ、三輪山の社でとまっていた。そこではじめて相手が人間ではなく、三輪の神の化身であることを知ったという。

——白洲正子・著「木 なまえ・かたち・たくみ」平凡社ライブラリー刊より

能「三輪」のストーリーは、上記の神話からはずっと下った時代の三輪の里を舞台に、そこに住まう僧が、ある女と出会うところから始まります。
後半には、この女が三輪の神としての姿を顕し、僧と向き合う姿が描かれます。
神話では男神であるはずの三輪の神が女性で表現されていたり、そもそも仏教の僧と神道の神があいまみえるなど、劇中で男と女、神道と仏教が入交り構成されているところが、一つこの能の大変興味深い部分となっています。
今回は青柳恵介先生が「古代神道と三輪の山」と題しこのあたりの不思議について、じっくり解説くださいます。

能楽師のお二人が4月にむけて取組み中の「三輪」には、演目の左下に「神遊」と記されています。これは能では小書(こがき)といって、通常の演出とは異なる、より高度な技術が要求される演出となる場合に示されるものです。
特に今回の「神遊」の演出は、舞をするシテの型、囃子方の奏法にまで非常に高度な技術を求められる小書で、一定以上の経験を積んだ能楽師だけに許されるものとなっているそうです。
どのような表現、難しさがあるのでしょうか? 対談、それからお二人による謡と小鼓演奏の実演を通して「三輪」さらには「神遊」の見どころ聞きどころを掴んでいただきたいと思います。

毎回、能と日本文化の、かなり深いところまで入り込んでいく本講座ですが、お三方のお話は、能の知識が全くない方にも楽しく分かりやすい内容となっており、好評を博し15回まで来ました。興味はあるけれど触れたことが無かった方、一度は見たけれど分からなかった・・・などという方もどうぞ奮ってご参加ください。お申し込みは下記より。


開催概要・お申し込み

開催日程

2024年2月24日(土) 15:30—17:00

(開場15:00/途中休憩有り)※開始5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
お申し込み
  • 講座参加のみ、または観劇チケット付からお選びください。

    本会参加者は2024年4月20日(土)に国立能楽堂で開催される能舞台、觀ノ会「三輪 神遊」のチケットを1割引でお求めいただけます。觀ノ会の詳細は下記リンク先をご確認ください(座席表あり)。
    觀ノ会第七回公演「三輪 神遊」

    • 講座参加のみ 3,800円(税込)
    • 講座 + 觀ノ会[S席]チケット 12,800円(税込)
    • 講座 + 觀ノ会[A席]チケット 11,000円(税込)
    • 講座 + 觀ノ会[B席]チケット 9,200円(税込)
    • 講座 + 觀ノ会[C席]チケット 8,300円(税込)
    • 講座 + 觀ノ会[D席]チケット 7,400円(税込)
  • 【参加特典】武相荘ミュージアム鑑賞券2割引
    ミュージアム入口でチケット購入の際、当イベント参加者であることをお伝えください。
    ※ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。ミュージアムは17時終了のため。
  • 満席/お申し込み受付終了

    たくさんのご応募ありがとうございます。当日開催をどうぞお楽しみに!(記1月16日)
  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • イベント参加者ディナー開催!
    ※要別途お申し込み 7,700円 (お食事・ドリンク代込/税込)
    イベント終了後、参加者だけでのディナーを開催いたします。武相荘での一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。17:30〜19:30/限定20席 ※お支払いは当日となります。
  • ご予約はレストランへ直接お願いいたします。
    TEL.042-708-8633(レストラン直通)
    「2月24日・お能の会のディナーを希望」とお伝えください。
    キャンセルは1週間前までに必ずご連絡ください。
    (以降はキャンセル料金が発生いたします)
募集締切 講座2月22日締切、ディナー2月17日締切

2023年12月20日更新冬の花々・屋根の修繕

駐車場側から入ると、ナラの木の紅葉が、目に飛び込んできました。

武相荘への入り口は右手側、竹林を縫う遊歩道を歩いていきます。

竹林を抜けると、長いウッドデッキに出ます。

ウッドデッキの下側に降りて見上げてみました。(普段はごめんなさい立ち入り禁止です)

順々に早咲きの椿が咲き始めました。薄桃色の椿は「数寄屋」

こちらは「天輪寺月光」

こちらは椿ではなく「蝋梅(ろうばい)」
他の梅と同じように、花だけで咲くイメージありますが、異常気象のためか葉を残したまま咲いています。でも、いい香りです。

この建物は、地階がイベントスペースの能ヶ谷ラウンジ、地上一階がショップとなっています。
今日は「コンコンコン・・・」と小気味よく木を打つ、大工仕事の音が聞こえてきますが・・・

上へ上がってみると屋根を修繕中でした。武相荘ではミュージアムとなっている母屋の茅葺きの葺き替えも大事ですが、こういった細かな修繕も欠かせません。

瓦の下に美しい板が渡されていました。「杉ですか?」と大工さんに声をかけると「檜です」と快く教えて下さいました。修繕は本日完了するそうです。

門をくぐって、茅葺きの方へ進みます。
右の建物がレストラン。奥が、白洲夫妻が住居にしていた茅葺きです。
今はミュージアムとしてお楽しみいただいております。さらに奥へ進みます。

白い椿が満開です。「白侘助」

白洲正子が好んで大切にした木で、今はなかなかの大木となっています。

今年も残すところ10日余りとなりました。
武相荘の営業は12月24日(日)まで、新年は1月6日(土)に開館いたします。

年末年始もどうぞお気軽にご来館ください。

2023年12月18日更新青柳恵介さんお話会
~白洲正子 日本の名宝100~
その9「法隆寺の五重塔と救世観音像」

“白洲正子の眼”を手がかりに、青柳恵介先生のお話で「日本の名宝100」を巡る武相荘の大人の講座 シリーズ第9回

青柳恵介さんお話会 ~白洲正子 日本の名宝100~ その9「法隆寺の五重塔と救世観音像」

白洲正子がかつてこれぞという日本の宝もの100点を選んだリストが存在します。本講座は、正子の友人であり国文学者・古美術評論家として活躍されている青柳恵介さんを講師に迎え、お話で、この100の宝の一つ一つを巡り、楽しみを深める講座です。

今回テーマは「法隆寺の五重塔」そして「救世観音像(ぐぜかんのんぞう)」です。二つの宝は正子のリストでは別個に選ばれていますが、青柳先生は今回ダブルで取り上げ、お話ししてくださいます。

創建は607年、今から1400年以上前です。皆様もご存知のように、絵葉書などでも見ることができる五重塔は、日本や奈良の一つのイメージとして、四季によりそう変わらぬ景色として、世界中の人々に親しまれています。
斑鳩では、五重塔が、今日も畑の向こうに、さも当り前のように見えていることでしょう。しかしふと1400年の時を思うとき、巨大な木造塔が変わらず立ち続けていることは、とても普通のことではないように思われてきます。
遠く飛鳥時代から、あまたの戦乱や火災を免れてきたことも奇跡的。ですが一方で五重塔は地震などにはびくともしない驚くべき設計を持つことが近代になって判明しています。
倒れることのない五重塔を作らせた強い思い、それはどのようなものなのでしょうか?優美な姿を構成する細部の見どころとあわせ青柳先生に伺っていきたいと思います。

創建からの長い歴史を経て、法隆寺に安置されている仏像は650体を数えるそうですが、その中でも最も古い時代、奈良時代に造られた仏像です。
聖徳太子の死後、太子をモデルに彫刻されたと言われるたいへん秀麗な像ですが、明治時代にフェノロサ*が調査で発見するまでは、200年もの間、秘仏として封印されていたそうです。
(*アーネスト・フェノロサ:明治政府の調査を担当し廃仏毀釈から仏教美術を守ることに尽力した)

法隆寺には、もうひとつ釈迦三尊像も聖徳太子をモデルに造られたと分かっていますが、こちらは堂々と、金堂の中央に鎮座し続けてきました。片や秘仏となった救世観音像は、一体どのような経緯を持っているのでしょうか。美術的な見どころとあわせ青柳先生のお話をじっくり伺っていきたいと思います。

正子と同じく、歴史の舞台へは自ら足を運ぶことを大切にされている青柳先生。
宝が辿ってきた場所へ実際に赴いて感じ得た本当のお話を聞いていると、現代の景色と当時の景色が重なり、人々の息遣いが感じられるような想いがしてきます。

白洲正子の遺したリストを地図に、青柳先生のナビゲートで、日本にまだまだある魅力を学び楽しむ講座です。武相荘で、いつもとは一寸違った頭の使い方を楽しんでみませんか?初めての方もどうぞお気軽にご参加ください。お申し込みは下記より。


青柳恵介(あおやぎ・けいすけ)

古美術評論家。五蘊会会長。觀ノ会発起人。
1950年生まれ。東京都出身。
成城大学大学院博士課程修了。専門は国文学。古美術評論家。成城学園教育研究所、成城大学、東京海洋大学の講師を務めた。
著書に「風の男 白洲次郎」(新潮社 1997)、「骨董屋という仕事」(平凡社 2007)、「白洲次郎と白洲正子―乱世に生きた二人―」(新潮社 2008)などがある。

開催概要・お申し込み

日程

2024年2月4日(日) 15:30—17:00

(開場15:00/途中休憩有り)※開演5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
お申し込み
  • 4,000円(税込)/参考資料付
  • 【参加特典】武相荘ミュージアム鑑賞券2割引
    ミュージアム入口でチケット購入の際、当イベント参加者であることをお伝えください。
    ※ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。ミュージアムは17時終了のため。
  • 満席のため募集終了いたしました。ご参加の皆様どうぞお楽しみに!(記1/29)

    クレジットカードまたはPaypayでの決済
    銀行振込がよろしい方は下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。
  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • イベント参加者ディナー開催!
    ※要別途お申し込み 7,700円 (お食事・ドリンク代込/税込)
    イベント終了後、参加者だけでのディナーを開催いたします。武相荘での一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。17:30〜19:30/限定20席 ※お支払いは当日となります。
  • ご予約はレストランへ直接お願いいたします。
    TEL.042-708-8633(レストラン直通)
    「2月4日・青柳恵介氏お話会のディナーを希望」とお伝えください。
    キャンセルは1週間前までに必ずご連絡ください。
    (以降はキャンセル料金が発生いたします)
募集締切 講座2月2日締切、ディナー1月28日締切

2023年11月29日更新『武相荘の冬』展 2023-2024

会期: 11月28日(火)〜12月24日(日) その後冬季休館を挟んで、
2023年1月6日(土)〜2月25日(日)まで。
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)

家に居るよりも、それぞれ別々に外を駆け巡ることのほうが多かった父・次郎と母・正子ですが、晩年はこの「武相荘」で二人は静かに暮らしておりました。 父はガレージで大工仕事に励み、母は書斎で読書をする。ごく親しい人とだけ付き合い、静かで平和な暮らしを楽しんでおりました。

二人の趣味(hobby)は異なっているように見えますが、趣味(taste)は多分に共通していたと思います。二人のhobbyとtasteとを遺愛の品々から、見て取って頂ければ幸いです。

牧山桂子

2023年11月16日更新冬支度

11月初旬まで夏に戻ったかのような陽気が続きました。
先週からいっきに平年並みの気温に戻り、コートが必要な晩秋の雰囲気になってきました。

茅葺のミュージアムの前
武相荘の庭を長年見続けてきた巨木

白樫の木です。根元まで近づくと、たくさん実を落としていました。

ミュージアムの奥は散策路になっています。
コウヤボウキの小さな白い花がたくさん咲いています。

ぐるりと回って石段を登ります。

上からの眺め。
この辺りのモミジは、毎年12月初旬に紅葉のピークを迎えます。

レストランのテラス前。
ホトトギスの花がよく咲いています。白洲正子が好んだ花、
意外ですが、日本原産の花ということです。

レストランの隣、Bar PlayFast へ上がる階段の脇、
大壺に野生的なノイバラのあばれ方が見事です。

レストランの向かい側、高木の上には桃色の花がチラホラ。
山茶花が咲き始めています。

椿も蕾が色づいてきました。

クラッシックカーPAIGEのあるオープンカフェ

囲炉裏にも炭が入りました。少し自然の多い当館で、
季節を感じながら、心身をリフレッシュいただけたらと思います。

2023年11月10日更新開催レポート 武相荘の秋のなげいれの会

山野草をこよなく愛し、花師として活動されている齊藤謙大さんによる “武相荘の秋のなげいれの会” が2023年11月5日(日)に開催されました。

朝10時から夕方まで一日を、武相荘の植生を見ながら、植物を採集し、景色を切り取って草花を活ける。という大変興味深い催しでした。(写真提供・グリーンワイズ 竹内様)

武相荘の能ヶ谷ラウンジが、この日は素敵なスタジオに変わりました。

参加者に最初のレクチャーをする齊藤謙大さん。

イマジネーションを刺激する素晴らしい花器
齋藤さんがご用意してくださったものです。

レクチャーの後は、鋏とカゴを持ち、思い思いに武相荘邸内を散策。

採取中の植物を見せていただきました。

器と草花に向き合い真剣なみなさん。

作っている時間も素敵です。

仕上がりの鑑賞タイム。

参加者のみなさんの感想をうかがいますと、普段からお花に親しまれている方にとっても、里山からそのまま草花を摘んで活けるという機会はめずらしく、いつもとは違った気持ちで、生えている一つ一つの植物に向き合う時間が、大変興味深く感じられたようでした。

季節を変えての開催を望まれる声も、皆さんからいただきました。武相荘ならではのイベント、ぜひ継続していきたいですね。

ご参加の皆さま、講師の齋藤さま、誠に有り難うございました。

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