2024年の記事一覧

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2024年12月23日更新冬の散歩道

寒くなりました。開門直後、10時過ぎの遊歩道です。
今日は駐車場側の入り口から、邸内をぐるっとご案内してみます。

ポンプが組み上げる水の音、時折り聞こえる鳥の声や、カラカラと枯葉の音。

コブシの蕾でしょうか。毛皮を纏って暖かそうです。

長いウッドデッキの突き当たりを左に、階段を登ります。
突き当たりの部屋は、白洲次郎が農具置き場にしていた小屋で、今は能ヶ谷ラウンジと名付け、様々ななイベントを開催しているスペースです。(こんなイベントを開催しています

上へ登ると、オープンカフェスペース。車好きの次郎がガレージにしていた場所です。奥に停まっている車にお気づきですか?

中央の囲炉裏では炭をおこしています。

瓦門を潜って邸内へ。
写真手前はカフェ&レストラン。奥の茅葺はミュージアムとして公開しています。
次郎と正子が形作った往時のままの空間をお楽しみいただけます。

ミュージアムの奥側はモミジの色合いが綺麗です。
手前の、白い花をこぼれるように咲かせているの大木は、椿です。

椿・白侘助

寒さを好むのでしょうか。ここ数年で一番といえる開花です。

邸内をぐるりと巡ってみました。

ミュージアムの奥、山側の散策路入り口の紅葉

年内、あとわずかとなりましたが、白侘助、紅葉が本当に綺麗です。
ミュージアムでは初めての企画として、白洲正子が注文したサンローランのオートクチュールを一同に展示しております。(展示詳細はこちら)お近くにお越しの際は、ぜひ足をお運びください。

【年末年始の営業につきまして】
年内は12月25日(水)まで、2025年は1月11日(土)から開館いたします。

2024年12月24日更新森山潤一 & 穂積翔太
Ukulele & Guitar Duo Live @武相荘

ジャズの世界では珍しい「ウクレレ」と「ギター」二人組によるライブを武相荘・能ヶ谷ラウンジで開催!

タップして印刷用PDFをダウンロード(1MB)

二人が奏でる新感覚の音楽世界は、国内だけでなく世界での評価が高まっており、モンゴル、マカオとボツワナのジャズチャートにランクイン。昨年は森山の “All The Things You Are” が Apple Music (タジキスタン) の”ジャズ トップソング” で34位にランクインを果たしています。

白洲次郎の農具小屋だった「能ヶ谷ラウンジ」全40席でのライブ。

JazzyでPopなジャンルにとらわれないオリジナル曲、そして有名ジャズスタンダード曲を交えての、新鮮かつチルアウトな90分間。ぜひお楽しみに。

お申し込みは下記より!

森山潤一/ウクレレ

学生の頃からピアノと作曲を学びライブ等の音楽活動を続ける中、30代でウクレレに出逢う。第7回キワヤ商会ウクレレコンテストでファイナリストに選出。ウクレレプレーヤーとしての活動をスタート。
2015年ウクレレジャズバンドMacro Lei JAZZを結成。
2019年5月スィンギー坂野との別プロジェクトであるUkulele Jazz Duoで初CD“INTRODUCING”リリース。同年11月Macro Lei JAZZとして初の全編オリジナル曲CD“Macro Lei JAZZ”リリース。
2020年ハワイ“ナホク・ハノハノ・アワード”最優秀インターナショナル部門ノミネート。
2022年12月Ukulele & Guitar / 森山潤一 穂積翔太 デュオの1st アルバム “Ukulele and Guitar chillin’ at Jazz spot”を発表。
2019年10月よりウクレレ教室”Breeze and Tone YOKOHAMA ukulele school”主宰。
過去には競泳チームの指導に携わる等、スイミングインストラクターとしても活動していた。ホノルルマラソンにも毎年参加するほど心身ともにハワイ好き・スポーツ好きでもある。

穂積翔太/ギター

2012年より演奏活動を開始。
東京〜横浜を中心に活動をしている。
2016年“ワグナーストリート”発売。自身と志賀由美子の2ギター・デュオ・チーム:Voice Of Stringsに、福岡で活躍する4人を迎えて創られた歌モノのこのアルバムは日本のジャズシーン各雑誌での好評を得る。
2018年“voice of strings”を発売。
最近はギタートリオでの演奏に力をいれており、2023年11月には最新アルバム“Your Smile”を発売。

開催概要・お申し込み

日程 2025年2月15日(土) 15:30—17:00
15:00開場 ※開演5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
  • チケット : 4,800円(税込)
  • 武相荘当日フリーパス付
    一般入場券1,500円分付:イベント参加者は庭園内全域と、武相荘ミュージアムをご観覧いただけます。(通常別途有料)
    1. 武相荘入場時にチケット売り場でイベント参加者である旨をお伝えください。
    2. ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。(ミュージアムは17時終了のため)
お申し込み
  • お申し込みはこちらから/PassMarket
    クレジットカードまたはPaypayでの決済

    銀行振込がよろしい方は、上記PassMarket画面にてチケットの販売状況をご確認の上(売切れの場合がございます)、下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。

  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • アフターライブディナーも開催!
    ※要別途お申し込み 8,800円 (お食事・ドリンク代込/税込)
    イベント終了後、参加者だけでのディナーを開催いたします。武相荘での一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。17:30〜武相荘レストランにて/限定20席 ※お支払いは当日となります。なるべく現金でご準備お願いいたします。
  • ご予約はレストランへ直接お願いいたします。
    TEL.042-708-8633(レストラン直通)
    「2月15日・コンサートの日のディナーを希望」とお伝えください。
    キャンセルは下記の最終締切日までにお願いいたします。
    (食材とお席の準備がございますため以降のキャンセルでは料金を頂戴いたします。)
募集締切とキャンセルにつきまして
  • 2025年2月6日(木)最終締切
  • キャンセルは必ず上記締切までにご連絡ください。

2024年12月9日更新開催レポート
食で長浜市に親しむイベント “Nagahama Tradition”

2024年12月5日、長浜市と武相荘の観光連携協定のキックオフイベントとして “Nagahama Tradition” と題し長浜の食を楽しむ・発見するイベントが開催されました。

「武相荘を通じて長浜の情報を発信していく企画」第1弾をレポートいたします。
伝統ある長浜の食材にご興味をお持ちの方、次の旅先を検討されている方、長浜に行きたいな、というみなさんにご参考いただけましたら幸いです。

長浜食材を武相荘レストラン流に料理する

武相荘館長・牧山より

「武相荘は次郎と正子が、古い農家だった日本家屋に、若い頃をイギリス・アメリカで学んだ彼らなりの西洋の気持ちを持ち込んで暮らしていたところです。
実は、今日の料理も、食材は長浜を中心に琵琶湖の周りでとれた豊富な食材を使いTraditionと言いながら、西洋風に新しい試みを入れているようです。長浜市さんにも今回の新しい感じを何か持ち帰っていただけたら、嬉しく思います。」

Nagahama Tradition in 武相荘 お料理

解説:長浜観光協会 副会長 山本享平 氏(上部写真・右)
下記のほか、零余子ご飯 が供されました。

鮒寿司
山本さんのお父様が漬けた鮒寿司。鮒寿司は家々の味があり、漬ける人によって味が違う。蔵を持つ所では、蔵に住んでいる菌でそれぞれに個性的な鮒寿司に仕上がる。こちらは米と塩と酒のみで漬けてある。

琵琶鱒のミキュイ
琵琶鱒は琵琶湖の固有種。別名アメノウオ。現地では普段、お刺身で食すことが多い。個体によって、白っぽい身になるのは鮎を食べている。赤っぽいものはエビを食べている。脂がのっていて一般的な鱒に比べ芳醇。※ミキュイは半生の意

近江牛のカルパッチョ
近江牛は滋賀県で3年以上肥育した牛が名乗ることができる。但馬牛を源流にしていることが多い。真剣に取り組んでおり、農家さんによっては消化に良い蒸し草を与えたり、脂の質が高く、3大和牛の中でも融点が最も低い。口に入れたらトロけるよう。

大沢ワインズ
長浜出身の大沢泰造氏が夢の実現として55歳を機にニュージーランドに当時放牧地であった土地を購入し(ワインの好適地と見込み)始めたワイナリー。FLYNG SHEEP というブランドで近年好評かを受けている。

鴨のロースト・自然薯添え
(美味しい鴨のため味付けは塩と胡椒のみ)滋賀は特に北の方では鴨を食べる。地元の人にとっては冬の滋養の大事な食材。漁の網に鴨がかかるので漁師が鴨肉を扱っていた。今でも魚屋さんで売っている。今でも網で獲る。

デザート
伊吹大根・柚子皮の蜜煮添え
短足大根
伊吹山の麓で栽培されてきた伝統野菜で、辛味が非常に強いため、そばの薬味や、鍋のおろしに良い。今回はボイルして絡みを抜き、冷やした状態で供された。繊維感の少ないなめらかな食感。

長浜観光協会 会長 前川和彦 氏(上部写真・左)

「白洲正子さん、長浜では有名ですが、もっともっと、これからも知ってほしい。」
「今回、滋賀の食材でしたが本当に美味しかった。あらためてこういう場所で、皆様とお話しながら食べられて、そういったことが本当にごちそうかなと思いました。正子さんもそういうことが言いたかったのかなと思いました。」
「ぜひ次回は、滋賀県で開催させていただけたらと思います。
お越しいただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」

協賛:ご協力いただいた皆様、誠に有り難うございました。

  • 鮒寿司:旅館紅鮎
  • 琵琶鱒:鮎茶屋かわせ
  • 近江牛:本家 まるさ
  • 鴨:長浜 魚三
  • 自然薯:小澤農園
  • 農家:久次郎(伊吹山)
  • ワイン: 大沢ワインズ
  • 日本酒、奈良漬(お土産):山路酒造
  • 浜ちりめんのポケットチーフ(お土産):吉正織物工場
  • ラングドシャ(お土産):道の駅 湖北みずどりステーション

白洲正子が愛して止まなかった近江。記憶に残る風景に、旅してみませんか?

長浜への旅行・観光につきましては長浜観光協会ウェブサイトをご覧ください。

  • 長浜観光協会ウェブサイト
    長浜・米原・奥びわ湖を楽しむ観光情報サイト。琵琶湖の観光をもっと楽しく。長浜・米原を中心に北びわ湖の観光情報が満載です。

2024年12月10日更新静岡県沼津市とのコラボイベント
『NUMAZU 富士の麓の美食体験会』

新年1月18日(土)に静岡県沼津市と武相荘の共催で、“食”を通して沼津市の魅力に触れるプレミアムイベントを開催いたします。
僅かではございますが一般募集のお席も設けさせていただきましたので、ぜひ奮ってご参加ください。

開催内容の詳細と、応募方法は、下記のプレスリリースをご確認ください。

沼津市が白洲次郎・正子の終の棲家「旧白洲邸武相荘」とコラボイベント “富士の麓の美食体験会” 開催決定!

静岡県沼津市は、沼津市の豊かな自然に育まれた農産物や魚介類を使用した「沼津食材の美食体験」をテーマにしたレストランイベント”NUMAZU 富士の麓の美食体験会”を2025年1月18日(土)に武相荘レストランで開催します。

「武相荘」は、終戦後に吉田茂に請われてGHQとの折衝にあたり「従順ならざる唯一の日本人」と言われた白洲次郎と、女性として初めて能舞台に立ち、文壇や染織工芸の蒐集で多彩な活躍をしたその妻正子の終の棲家であり、現在は白洲夫妻のさまざまなゆかりの品を展示するミュージアムとレストランが併設されています。

沼津市に所在する沼津御用邸西附属邸は、もともと正子の祖父である川村純義伯爵の別荘であったという縁から、沼津市は正子が幼い頃より何度も訪れていた場所。沼津食材の魅力を発信する場として武相荘が選ばれたのにはそのような背景があり、沼津市と武相荘の本格的なコラボレーションは今回が初の試みとなります。

沼津市は富士山の麓に位置する良質な土壌と、日本でも有数の深度を誇る駿河湾に面した立地から、美味しい農産物と魚介類に恵まれた豊かな食材を数多く擁しています。今回の「美食体験会」はそのような沼津の食材を武相荘レストランシェフによるオリジナルコース料理としてご提供します。このプレミアムな「富士の麓の美食体験会」にぜひご参加ください。

開催概要

日時:令和7年1月18日(土)18時開場 18時30分スタート
場所:旧白洲邸 武相荘
TEL.042-735-5732 
内容:武相荘レストランシェフによる“あしたか牛”や“内浦駿河鯛”ほか沼津市産物を用いたコース料理のご提供
参加費用:¥5,500(税込)
募集人数:3名限定
申し込み締め切り:1月9日

お申し込み

下記リンク先のPassmarketにてチケットをお求めください。
満席となりました。(12月11日)
応募URL: https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01h8cnktxw441.html
(クレジットカードまたはPaypayでの決済)

2024年11月28日更新入場料改定のお知らせ

武相荘は、2025年1月より有料エリアの範囲と入場料を改定いたします。

今から23年前、2001年10月のオープン時、武相荘は旧白洲邸であった庭園全域を有料エリアと定めスタートいたしました。その後、2014年の駐車場整備/レストランの本格オープンにあわせ、庭園の一部を開放し、茅葺き屋根の母屋ミュージアムを中心とする一部エリアのみを有料という体制に変えて今日まで運営してまいりました。

私設の記念館/ミュージアムとして運営を行っている武相荘ですが、この間、数年おきの茅葺き屋根の葺き替えをはじめ、建物のメンテナンス、樹木および庭園の管理等を継続し、お楽しみいただける環境を維持してまいりました。

この度、改めて120年の歴史を持ち、元は養蚕農家であって、白洲夫婦が自分たちのテイストで作り込んでいった茅葺を中心とする往時の建物と庭園、今では周辺からは消え去ってしまった動植物が息づいている自然環境でもあるこの武相荘を、これからの世代になんとか残していきたいという強い思いに端を発し、あらためて「全域が維持していくべき一つの価値である」という考えに基づき、庭園全域を有料とすることを決断いたしました。

大変有り難いことにオープンして23年を経た今、日本中から白洲次郎・白洲正子に関心を持ってご来館いただける方々があります。二人が住んだ住まいと自然環境に親しみを抱いてご来場いただける皆さま、白洲家エッセンスのもとに企画・開催する様々なイベントを楽しみに来ていただける新しい世代の皆さまも増えてきました。

武相荘を楽しみ、大切に思ってくださる皆さまに、今後もお応えしていけるよう、維持・発展に注力したく、この度の改定にご理解いただけましたら幸いです。

旧白洲邸 武相荘 牧山圭男

2024年11月27日更新『武相荘の冬』展 2024-2025

会期: 11月26日(火)〜12月25日(水) その後冬季休館を挟んで、
2025年1月11日(土)〜2月16日(日)まで。
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)

白洲正子が惚れたサンローラン

Yves Saint Laurent

イヴ・サンローランは1958年にChristian Dior(クリスチャン・ディオール)の後を継ぎ、弱冠21歳でデビューし、
61年に自身のブランドを立ち上げ、数々のセンセーショナルなデザインを発表しました。

ここに展示した6体のシックなセットアップと1着のマントは、
80年代に正子がオーダーしたYves Saint Laurent (イヴ・サンローラン)のオートクチュール(高級仕立て服)です。

イヴ・サンローラン ブランドを日本に招致するため尽力していた正子は、75年にサンローラン氏が来日した際に、
ホテルオークラで開催されたファッションショーでは、サンローラン氏の隣に座っていました。

ここに展示されている、グレーのピンストライプのパンツスーツは、正子が初めてオーダーしたオートクチュールで、
61年にサンローランが発表した当時の、非常に衝撃的だったスタイルを彷彿とさせるセットアップです。

奥の壁面に展示のマントやピーコート(未展示)など他のアイテムも、正子が選んだのは、サンローランのデザインを象徴するスタイルが中心で、発表当時は前衛的だったスタイルが、
クラッシックへとつながっていく時代の真っ只中で、これらを着こなした正子のスタイリッシュな姿を想像してみてください。

友人との交流

左)正子と友人の間で交わされた書簡、葉書の展示
右)北大路魯山人・作の湯呑み
ミュージアム入口、リビングの展示
瀬戸、伊万里のうつわ、李朝の壺
塗物の文箱、漆のうつわ、食籠など多彩に
囲炉裏の間の展示

家に居るよりも、それぞれ別々に外を駆け巡ることのほうが多かった父・次郎と母・正子ですが、晩年はこの「武相荘」で二人は静かに暮らしておりました。 父はガレージで大工仕事に励み、母は書斎で読書をする。ごく親しい人とだけ付き合い、静かで平和な暮らしを楽しんでおりました。

二人の趣味(hobby)は異なっているように見えますが、趣味(taste)は多分に共通していたと思います。二人のhobbyとtasteとを遺愛の品々から、見て取って頂ければ幸いです。

牧山桂子

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