2024年の記事一覧

2024年5月16日更新青葉

若い緑が生い茂り木影も色濃くなってきました。
恋のシーズンが過ぎたのでしょうか?聞こえてくる鳥のさえずりもどこか落ち着いた様子に変わりました。

武相荘の遊歩道には長い長いウッドデッキがあります。
ウッドデッキの左右には季節ごとにいろいろな花が咲きますが、今は下側(写真右)が見頃です。

黄花菖蒲が満開です。

白洲正子が好んで、よく飾ったりもした大山蓮華(オオヤマレンゲ)の花の蕾です。

ウッドデッキから邸側への階段のところにある梅の実は、こんなに膨らんできました。

上に登ると、白洲次郎のガレージだった場所に、カフェテーブルを並べた休憩所です。

河原撫子(カワラナデシコ)、今年は沢山咲いてくれました。
現代では道端で見ることは稀ですが、万葉集にも歌われている日本古来の草花です。

クラッシックカー PAIGE(ペイジ)

瓦門を通って邸内へ

レストランは11時オープンで、カフェ・ランチが人気です。
夜のディナーはミュージアム閉館後、完全予約制で、邸内を満喫いただけます。

テラス席から。背の高いアザミがよく咲いています。

一番奥の茅葺き屋根はミュージアムです。
次郎と正子の住んだ家をそのままに、二人の愛用品などを季節ごとに展示・公開しております。

ミュージアムの奥の山側も散策路になっています。

石段を登っていくと、竹林を背景にモミジの青葉が綺麗です。
写真の白い花はガマズミ。秋には真っ赤な実に変わります。

緑滴る などという言葉が自然と想い浮かんでくる良い季節。
ぜひリフレッシュしにいらしてください。

2024年4月28日更新第2回武相荘落語の会 一玄亭米多朗

茅葺き屋根もある、クラッシックカーもある、昔ながらの雰囲気たっぷりの武相荘で、日本の話芸をちょいと楽しむ日曜の午後なんて、いかがでしょう?

画像クリックでチラシPDFをダウンロード (1.6MB)

落語の演目は、前回好評頂きました「人情噺」(前回とは違う噺)と「滑稽噺」の二席をお喋りさせて頂きます。何の落語かは当日のお楽しみ。

また終演後のディナーへは、米多朗も一緒に参加させて頂きます。
皆様にお会い出来るのを楽しみにしております。

ご家族ご夫婦友人知人大事な方をお誘い合わせでお越し下さい。

一玄亭米多朗拝



一玄亭米多朗(朗は「良」に「月」の字)

昭和41年生まれ 東京都大田区西糀谷(羽田・蒲田近辺)駄菓子屋の次男で誕生。
糀谷小中学校を野球少年にて王選手を夢見て過ごす。
都立工芸高校印刷科すいせん入学。先生に汲み取られ卒業。
その後、出光ガソリンスタンド(鈴美商事)で油を売りながら役者修行後に落語(噺家)家となる。

【階級】真打
【出囃子】蒲田行進曲

【芸歴】
昭和61年(1986年)4月 東八郎笑塾 第一期生入塾
東八郎劇団 本多劇場・新宿コマ劇場公演
近藤真彦・坂東玉三郎公演 等出演
昭和63年(1988年)6月9日 桂米助入門 前座名(桂でっどぼうる)
平成4年(1992年)8月1日 二ツ目昇進 改名(桂デッドボール)
平成14年(2002年)5月1日 真打昇進 改名(桂米多朗)令和5年(2023年)9月1日 桂米多朗改メ一玄亭米多朗となる。

【テレビ・ラジオ・雑誌】
週刊ポスト シアトル・マリナーズ「イチロー観戦特派員」
NHKラジオ「サンデージョッキー」
群馬放送「桂米多朗のお金持ちになりたい!」
茨城放送「おもしローカルいばラジオ」
NHKBS2「お好み寄席」大喜利メンバー  等出演
川崎市多摩区 初代観光大使 かわさき産業親善大使
川崎しんゆり芸術祭「アルテリッカ演芸座」座長
「第十回たま寄席」第66回文化庁芸術祭参加公演
学校寄席・地域出前寄席で全国脚光中  他各寄席出演中

開催概要・お申し込み

イベント名 武相荘 落語の会 第2回 一玄亭米多朗
日程

2024年6月30日(日)
15:30—17:00

(開場15:00/途中休憩有り)※開演5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
  • A.通常チケット: 3,800円(税込)
  • B.ディナー付きチケット: 11,500円(税込)
    お食事代・ドリンク代込み/限定20席。ディナーはイベント終了後17:30〜レストラン武相荘で開催いたします。武相荘での1日をたっぷりお楽しみください。※お料理はテーブルシェアでの配膳となります。あらかじめご了承ください。
  • 【参加特典】武相荘ミュージアム鑑賞券2割引
    ミュージアム入口でチケット購入の際、当イベント参加者であることをお伝えください。
    ※ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。ミュージアムは17時終了のため。
  • お申し込みはこちらから / Passmarket

    クレジットカードまたはPaypayでの決済
    銀行振込がよろしい方は下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。
  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • お客様ご都合でのキャンセルは開催1週間前までに必ずご連絡ください。原則としてそれ以降のキャンセル(料金の払い戻し)はお受けできません。
  • 尚、参加応募数が15名に満たない場合、本会は開催キャンセルとなります。その場合にはご連絡の上払戻しを行います。
募集締切 通常チケット6月28日締切、ディナー付チケット6月23日締切

緑に囲まれた能ヶ谷ラウンジに高座をあつらえ、お話の世界にどっぷり浸かっていただきます。(写真は前回開催より)

2024年4月26日更新『白洲正子の蔵書を読む』
森岡書店 森岡督行・作家 朝吹真理子

随筆家である白洲正子の多岐にわたる蔵書の数々は、今もなお生前に正子が読んでいた当時とほぼ同様に「武相荘」の書斎の本棚に並んでいます。

この度、森岡書店の店主 森岡督行氏の企画により、正子の本棚より一冊を選び、その内容や印象をゲストと共に語り合うトークイベントを開催します。

その初回となる今回は、小説家 朝吹真理子氏を迎え、馬場あき子の著書「鬼の研究」(1988年 筑摩書房)について、二人のスピーカーが様々な角度から考察します。

会場となる「武相荘」では書斎や骨董も公開しており、本棚に並ぶ蔵書と共に、正子の価値観や美意識を偲ぶこともできます。


出演者プロフィール

森岡督行
1974年山形県生まれ。森岡書店代表。
著書に『800日間銀座一周』(文春文庫)、『ショートケーキを許す』(雷鳥社)など。聖心女子大学で開催中の『こどもと希望』展のキュレーションを担当した。

朝吹真理子
1984年、東京都生まれ。作家。
2009年、『流跡』でデビュー。
2010年、同作でドゥマゴ文学賞を最年少受賞。
2011年、『きことわ』で芥川賞を受賞。
他の著書に『TIMELESS』。

開催概要・お申し込み

イベント名 BEAMS DIRECTORS BANK PRESENTS
『白洲正子の蔵書を読む』
森岡書店 森岡督行・作家 朝吹真理子
日程

2024年6月1日(土)
15:30—17:00

(開場15:00/途中休憩有り)※開演5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費
  • A.通常チケット: 4,400円(税込)
  • B.ディナー付きチケット: 12,100円(税込)
    お食事代・ドリンク代込み/限定20席。ディナーはイベント終了後17:30〜レストラン武相荘で開催いたします。武相荘での1日をたっぷりお楽しみください。※お料理はテーブルシェアでの配膳となります。あらかじめご了承ください。
  • 【参加特典】武相荘ミュージアム鑑賞券2割引
    ミュージアム入口でチケット購入の際、当イベント参加者であることをお伝えください。
    ※ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。ミュージアムは17時終了のため。
  • お申し込みはこちらから / Passmarket

    クレジットカードまたはPaypayでの決済
    銀行振込がよろしい方は下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。
  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
その他
  • お客様ご都合でのキャンセルは開催1週間前までに必ずご連絡ください。原則としてそれ以降のキャンセル(料金の払い戻し)はお受けできません。
  • 尚、参加応募数が15名に満たない場合、本会は開催キャンセルとなります。その場合にはご連絡の上払戻しを行います。
募集締切 通常チケット5月30日締切、ディナー付チケット5月26日締切

6月、緑に囲まれた武相荘、能ヶ谷ラウンジでの開催です。

2024年4月22日更新新緑と武相荘の花々

桜が散って瞬く間に、野山が新緑に覆われました。

柿の葉、梅の葉、木々が新葉を大きくひろげ
地面ではスギナやフキの葉が風に揺れています。

竹林にはタケノコ。
採れたて、春の味覚はレストランのディナーでも好評です。

水に涼しさを感じる季節になってきました。

邸内もだんだんに木陰ができてきています。
写真左手の建物がレストラン。
庭を感じながらのランチ、カフェが人気です。

門を出たところ、入り口側のツツジです。

向かい側は、クラッシックカーPAIGEが停まっているガレージ。
休憩所としてご利用いただけます。

こちらはミュージアムの向かい側に、
群生しているシャガの花。
清廉な白い花は今が見頃です。

ミュージアムの奥側、”鈴鹿峠”の道標を見つけたら、
ぜひさらに奥へ。

”キンラン”が咲き始めました。
元々特別な条件が整った環境にしか咲かない花で
現代になるまで、そのような場所が失われ続けたことで、
今ではなかなか見ることが出来なくなった花です。

武相荘とともにある花です。

お庭の石仏も、春の花々に囲まれています。

武相荘は、新宿からでも1時間足らずの場所にあります。
気持ちの良い季節です。ぜひ足をお運びください。(アクセス情報

2024年4月22日更新武相荘の骨董市(第21回)

2024年6月16日(日) 朝10時開場・入場無料

武相荘の門前に所狭しと骨董屋さんが立ち並ぶ、楽しい骨董市。本年の第2回は初夏6月に開催。和骨董、西洋骨董から、仏教美術までさまざなジャンルの骨董が武相荘に集います。

画像をタップして印刷用PDFを表示

現代では作ることの出来なくなってしまった品々との時代を超えた出会い。
眼で見て触って、あなただけの「ほんもの」を見つけてください。

今回は初夏6月の開催。昔の人が夏を楽しんだ品々が店先を飾ることでしょう。
どうぞお楽しみに。

お車でお越しの皆様へ
当日、武相荘の駐車場は混雑が予想されます。満車の場合、路上でお待ちいただくことはできませんので、あらかじめ近辺のコインパーキング利用もご検討ください。武相荘近辺のコインパーキング参考情報はこちら

開催概要

日程

2024年6月16日(日)開催
開始時刻: 朝10:00 ※1,※2


終了時刻: 品物がなくなり次第終了(最終15:30頃)
会場 武相荘/参加無料・予約不要

※1) 入口2箇所(ユニクロ側・駐車場側)は同時刻に開門致しまします。
※2)「武相荘の倶楽部」メンバーは開場15分前よりご入場いただけます(同伴者は不可)。会員証をお忘れなく。

2024年4月8日更新武相荘の講座レポート
茅葺き職人 相良育弥さんお話会
茅葺きの今とこれからVol.2 〜薄暮か黎明か〜

茅葺き職人で株式会社くさかんむりの代表・親方である相良育弥さんを講師にお迎えし、2024年3月31日(日)に開催した武相荘の講座のレポートをお届けします。相良さんによる講座は約1年半ぶりの開催でした。

全世界の人が異常気象を肌に感じ、COVID-19に苦しんだ数年を経て、今「環境保護」や「持続可能性」が世界中のコンセンサスとして強く打ち出されています。そんな中 “自然素材”というバックグラウンドをもつ「茅葺き」への注目がかつてないほどに高まり、相良さんの会社『くさかんむり』へも、武相荘の屋根のようなスタンダードな茅葺き屋根「以外」の相談・依頼が急増しているとのこと。

お話はまず、近代日本を振り返り、当時試みられた「新しい茅葺き」建築の数々の紹介から始まりました。

紫烟荘(堀口捨己・1926年)紫烟荘図集 (洪洋社)収録写真 From Wikimedia Commons

最初にスライドに映されたのは、堀口捨巳の「紫烟荘」(1926)、オランダのアムステルダム派に影響をうけて建てられたとのこと。ちなみに100年前というと茅葺き屋根がまだまだ一般家屋のスタンダードだった時代です。

続いて年代順に、今井兼次(1930)、白井晟一(1941)、アントニン・レーモンド(1962)、村野藤吾(1971)、さらに2000年代に入ってからの隈研吾氏による建築などを辿っていきました。

どの建物も、我々が日本の伝統建築として頭に浮かべる茅葺きとはまた違う、モダンで個性的なものばかり、参加者からは驚きの声が漏れていました。

スライドは海外の建築物へ。ヨーロッパでは、第二次大戦で一旦新しい建築が途絶えたものの、1990年代からオランダ、デンマークなどを中心に北ヨーロッパ諸国において、一種の社会実験を伴うかたちで茅葺きの『新築』が増加していきます。

そして今、
持続可能性、脱炭素、SDGs、サーキュラーエコノミー、エシカル、リジェネラティブ…などという言葉とともに、オランダなどでは、茅葺きの新築が加速的に増加しているとのこと。オランダでは、水辺にそびえる市庁舎や、新しい消防署(!)までが茅葺き。ヨーロッパ人の秀逸なセンスで景色と調和した、未来的な茅葺きを見ると、羨ましいような気持ちが湧いてきます。

続いて、相良さんがここ数年の間に手がけた、『屋根以外の』茅葺きの紹介へ。
日本では現状、消防法が壁となり、特に都市部では新築の茅葺き屋根を築くのは難しいそうです。しかし天然素材による美しい手仕事を、商空間・住空間に取り入れたいという要望は多く、それに応える形で様々な仕事を行われています。

壁面装飾や、アパレルの什器、期間限定のイベント会場や、子供たちの遊び場など、ヨーロッパの現代茅葺きに負けないぐらい、かわいらしかったり、楽しい、美しい茅葺きが、次々にスライドに写されました。

働き手についても明るい話題が。一時は職人の高齢化が進んでいた茅葺きの世界ですが、近年になって職人を志す若者が増えているそうです。
特に女の子に元気があり、神戸で一番多くの職人をかかえる相良さんの『くさかんむり』も、今では男女比は6:4、それに伴い考え方もリフレッシュされた部分もあり、一緒に働く仲間のことを改めて考えることで、自分たちも働きやすくなった、職場環境が良くなったとのこと。

職人としてだけでなく事業家としての相良さんのセンスを感じるお話でした。

―――講座は休憩を挟んで後半へ―――

さて、ここで、あらためて今回の講座の題名を思い出しましょう。

茅葺きの今とこれからVol.2 〜薄暮か黎明か〜

相良さん
「ここまで『黎明』の話をしてきたんですが、自分も茅葺きの世界でこれだけやってきて、仕事も社員も増えてきている状況があるんですけれど、世の中の茅葺きの状況を冷静に見渡してみると、まてよ、う~~~ん。となってしまうことがあります…」と腕組みをしながら始めました。

相良さんの地元であり、会社を構える神戸市。実は神戸市の茅葺き屋根はあの白川郷よりも多いそうです。市政も文化財保護に積極的で、茅葺きに関しても補助などの制度が手厚く、他地域に比べても茅葺きを存続しやすい環境が整っています。しかし、市の棟数データによると茅葺き住居は年々減っているそうです。

「補助の手厚い神戸市、かつ全国一多数の茅葺き職人を抱える会社『くさかんむり』があるにも関わらずこの減り方です。
全国の状況については(農水省は集計を出していないので)確かな数字は分からないのですが、日本中の職人はみんな知り合いなので、漏れ聞く印象からすると、日本全体では神戸市よりもさらに急速に茅葺きが減ってきている状況です。」

一方、ヨーロッパに目を向けてみると…

オランダは、九州ほどの面積の国ですがそこに日本の10倍ぐらいの職人がおり、新築が年2000棟のペースで建てられているとのこと。(驚きです!)
しかし、ここに一つ、相良さんが思う大きな問題が潜んでいました。それは…原材料である「茅」を輸入に頼っているという点。オランダの公式情報では75%が輸入となっています。(ほぼ中国から)。・

輸入の茅を使うことの問題点とは? まず一つは検疫の関係で消毒の必要性があり、消毒の薬剤に安全性の問題があること。直接触れる職人の健康に関わるし、よくわからないもので消毒された茅では、葺き替え時に畑に入れるなど自然へ帰すことも出来ないかもしれません。もう一つは外来生物の問題。
「いくら検疫を通したとはいえ生き物たちはしたたかなので、必ずくぐり抜けて入り込みます。」

相良さんは続けます。

「今スマホでインスタ(Instagram)を開いて、1本メッセージしたら一束〇千円とかで、1週間足らずで茅束が送られてきます。そういう世界です。

出来上がる建築物のことだけを考えたり、経済効率を優先すると、そうなってしまうんだけど、それをやったら駄目だと思うんです。――こんなことしてたらSDGsでも何でもない。」

「僕はオランダの感じには違和感がある。それには『営み』が欠けていると思うんです。」

――出来るだけ地元の素材を使って、使い終わったら今度は肥料として畑に帰すことができる。茅葺きにはこの一つのサイクル、『営み』が、まるごと含まれるはず。

「新しく茅葺きの世界に入ってきてくれる後輩たちの生活のことも考えると、茅葺き以外の仕事も、一つ一つが大切な仕事ではあるんですけれど…」

相良さんが修業時代から、大変な思いもした若いころから、それでも魅力を感じ、携わりつづけている茅葺き。

現場で出会ってきた、おじいちゃん、おばあちゃん達の写真をスライドに投影しながら、
「おじいちゃん、おばあちゃんたちの顔を思い出すんです。この人たちに顔向けできる仕事をしなければならない。」

「茅の育つ萱場には、万葉集にも詠まれた花が咲きます。野生の桔梗や、カワラナデシコ。茅のなかに生きる虫や、それを狙う鳥。小さな小さな萱ねずみ。ここには数千年間を通して結ばれてきた、人と自然の関係性がある。」

「それから茅葺きの良いところは『関わりしろ』があるところ。子供が参加できる場面が沢山ある。職人じゃない一般の方が関われる、関わりしろがある。みんなでワイワイ一緒にやったらいいんです。」

「年2000棟は、将来の仕事を思うと素晴らしく聞こえるけれど、輸入の茅に頼るという方向に、日本は走っちゃいけないと思っている。
幸い日本は、茅葺きの停滞と減少の時期があったことによって、オランダと同じような方向に走らずに済んでいる。国内で自給自足できているんで、これを大切にしてここから本当の意味での『黎明』にしていきたい。」

「最近、仏教の円相に興味があって、禅宗の。いろんな円相を調べては集めてるんです」

「今いちど、茅葺きの『営み』の部分をひとつひとつ丁寧にやっていきたいと思って。出来るだけ地元の素材を使い、使い終わった茅は、有機農家さんへ渡し土へ返す。当たり前のことを投げ出さずに、丁寧にやっていきたいなと。」

「いい『円』が描けたらいいなと思って。いい調子に掠れた感じもあるような、自分にとって皆にとってよい円を描けたらと思います。」

あらためて茅葺きの基本を、丁寧にやっていきたい。そう語る相良さん。
今年から稲作にも本腰を入れて取り組まれているそうです。(このお話は次回、続きを伺えそうですね!)

以上、武相荘の講座 茅葺き職人 相良育弥さんお話会
茅葺きの今とこれからVol.2 〜薄暮か黎明か〜 レポートでした。

参加者の皆さま、誠に有難うございました。
相良さんの次回登場にもご期待ください。

2024年3月21日更新春の花々

駐車場側の入り口から、邸内へと続く遊歩道。竹林のトンネルです。

吹いては止み、吹いては止みを繰り返す、春の風に
竹林の笹がサラサラ、サラサラと心地よい音を奏でています。

トンネルを抜け、長い橋のようなウッドデッキへ。

下側斜面には、井戸水が注ぎ込まれていて
今は、柔らかな緑が一斉に吹き出して来ています。

反対側、石垣の上には赤い花が沢山。

手前の淡い黄色の花は、日向水木(ヒュウガミズキ)。

椿・明石潟(あかしがた)
椿・熊谷(くまがい)

星型がかわいい、ウグイスカグラ。散策路にも咲いています、探してみてください。

こちらは土佐水木(トサミズキ)。
花がほころび始めました。大きな木です。
黄色の花が満開になった姿はすばらしく、今から楽しみです。

ウッドデッキの階段下に、蓮の植った大鉢があります。
まだ今年の芽は出てきていませんが、メダカが元気に泳いでいました。

階段を登って、建物側へ邸内を進みます。

こちらは次郎のガレージを改装したオープンカフェ(休憩所)
外で寛がれる方も多くなってきました。

ミュージアムとして公開している茅葺きは、白洲家の母屋だった建物です。
現在は春展を開催中

ミュージアムの正面が竹林です。

椿・黒侘助

中央の建物がレストラン。11時オープンです。天気の良い日はテラス席もおすすめです。

椿・胡蝶侘助

ヒメツルニチニチソウ。
レストラン入口の対面、門側の庭に紫の花を咲かせています。

椿をはじめ種々の花が、次々と見ごろを迎える季節。
ぜひ遊びにいらしてください。