『武相荘の冬』展 2024-2025
会期: 11月26日(火)〜12月25日(水) その後冬季休館を挟んで、
2025年1月11日(土)〜2月16日(日)まで。
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)
白洲正子が惚れたサンローラン
イヴ・サンローランは1958年にChristian Dior(クリスチャン・ディオール)の後を継ぎ、弱冠21歳でデビューし、
61年に自身のブランドを立ち上げ、数々のセンセーショナルなデザインを発表しました。
ここに展示した6体のシックなセットアップと1着のマントは、
80年代に正子がオーダーしたYves Saint Laurent (イヴ・サンローラン)のオートクチュール(高級仕立て服)です。
イヴ・サンローラン ブランドを日本に招致するため尽力していた正子は、75年にサンローラン氏が来日した際に、
ホテルオークラで開催されたファッションショーでは、サンローラン氏の隣に座っていました。
ここに展示されている、グレーのピンストライプのパンツスーツは、正子が初めてオーダーしたオートクチュールで、
61年にサンローランが発表した当時の、非常に衝撃的だったスタイルを彷彿とさせるセットアップです。
奥の壁面に展示のマントやピーコート(未展示)など他のアイテムも、正子が選んだのは、サンローランのデザインを象徴するスタイルが中心で、発表当時は前衛的だったスタイルが、
クラッシックへとつながっていく時代の真っ只中で、これらを着こなした正子のスタイリッシュな姿を想像してみてください。
友人との交流
家に居るよりも、それぞれ別々に外を駆け巡ることのほうが多かった父・次郎と母・正子ですが、晩年はこの「武相荘」で二人は静かに暮らしておりました。 父はガレージで大工仕事に励み、母は書斎で読書をする。ごく親しい人とだけ付き合い、静かで平和な暮らしを楽しんでおりました。
二人の趣味(hobby)は異なっているように見えますが、趣味(taste)は多分に共通していたと思います。二人のhobbyとtasteとを遺愛の品々から、見て取って頂ければ幸いです。
牧山桂子