2024年の記事一覧

2024年9月26日更新ワインを楽しむ会〈第12回〉ソムリエ岡島直樹氏
『イタリアワイン 北と南の飲み比べ』

少しだけお洒落をして、ワインを学んで楽しむ、武相荘のワインの会 第12回です。

今回は岡島さんのお話に耳を傾けつつ、イタリアを北から南へ。
個性たっぷりの6種のワインを、それぞれに合わせた一皿一皿とともに順に味わっていきます。

ワインについて様々な知識を得ながら、実際に飲んで、楽しむ本会。

岡島さんのお話は毎回、産地の歴史・風土、人々の日常に触れつつ、ワインの特徴については、かなり専門的なところまで、イメージしやすく教えて下さいます。

今回は特にお料理も入念に計画されています。一品一品ワインとの〜アッヴィナメント〜芯からイタリアが感じられるひと時に、どうぞご期待ください。

限定20席での開催です。ワインが大好きな方、イタリアが好きな方、武相荘は初めてという方も、ぜひ一緒に楽しみましょう!


開催概要・お申し込み

開催
日時
2024年11月17日(日) 17:30〜
17:15開場 ※開始5分前をめどにご着席ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 レストラン
定員 20名 先着順
参加
要項
  • 【ドレスコード】男性はジャケット着用にてご参加ください。
  • 【参加特典】武相荘ミュージアム鑑賞券2割引
    チケット売場にて、当イベント参加の旨お申し出下さい。
    ※ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。ミュージアムは17時終了のため。
参加費
お申し込み
  • ワイン6種+イタリア料理を中心とした特別コース
    1名様 19,000円
    (税込)
    ワインは1杯1杯十分な分量が出ますが、コース外のドリンクご要望の際は、個別実費にて承ります。
  • お申し込みはこちらから/PassMarket
    クレジットカードまたはPaypayでの決済

    銀行振込がよろしい方は、上記PassMarket画面にてチケットの販売状況をご確認の上(売切れの場合がございます)、下記イベント専用窓口までメールでお問い合わせください。尚、銀行振込の場合、キャンセル時の返金手数料は自己負担となりますので予めご了承ください。

  • 武相荘イベント専用窓口
    email: contact@buaiso.com
    TEL.090-4367-9708(受付時間: 平日10:00-17:00)
募集締切とキャンセルにつきまして
  • 11月8日(金)最終締切
  • キャンセルは必ず上記締切までにご連絡ください。食材の準備等ございますため以降のキャンセルでは原則として払い戻しは致しかねます。

〜11月中旬の武相荘と、会場のレストラン〜

2024年9月19日更新中秋

涼しい秋を心待ちにしているうちに、9月も半ばを過ぎました。
各地で秋祭りも開催され、中秋の名月も過ぎました。お月見されましたか?

柿の実も赤く色づいてきました。武相荘には柿の古木が何本かありどれも大木なので秋の風物詩です。

門の脇、納屋の縁の下には、芝刈り機が置いてあります。次郎が使っていたものでデザインも面白いので当時のまま置いてあります。

階段脇の大壺にはツルウメモドキが見事です。
納屋を上へ登ると、小展示室「Bar PlayFast」があります。
現在、自由にご観覧いただけるように開放しております。

庭に目を向けると、秋の草花がチラホラ。

こちらはヌスビトハギ。
タネができると、衣服にくっついて厄介な草ですが、花は可愛らしいですね。

こちらはアレチノヌスビトハギ、近年の外来種だそうです。

奥側の散策路には、もうドングリ(樫の実)が落ちていました。
風に揺られたのか、鳥が落としたのでしょうか。

レストランのテラスの向かい側、野生、自然そのもののような緑の景色。
中央の石仏は正子が惚れ込んで設置したものです。

クラッシックカーPAIGE(ペイジ)が停まっているオープンスペース。
元は白洲次郎のガレージでした。

さて、武相荘の四季の展示、9月からは「武相荘—秋」展がスタートしています。

今回の一つの見どころは、次郎・正子と親しかった方々からの手紙や葉書の展示。
若き正子に宛てた青山二郎からの長い手紙、小林秀雄からのちょっとした葉書、吉田茂元首相が次郎に宛てた筆書きの手紙など、6つのガラスケースに展示しています。

囲炉裏のある十五畳には、正子の所蔵品を中心に大胆な展示を展開しています。
じっくりお楽しみいただけましたら幸いです。

2024年9月7日更新『武相荘の秋』展 2024〈終了いたしました〉

会期: 2024年9月7日(土)〜11月24日(日)
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時(入館は16時半までとなります)

武相荘の秋 開催にあたって

夏も終わりに近づき、木犀の香りが漂いはじめ
秋の気配が感じられる頃になると、正子は気持ちや
身の回りを秋に向かって切り替えていくのでした。
ガラスの食器など夏を感じさせる品々は
秋を迎えるのにふさわしくないと、隅に追いやり
替わりにぬくもりの感じられる木地の品々や
秋草を活ける花器などで身辺をかため、
日本に四季のあることを喜んでおりました。

牧山桂子

2024年8月21日更新夏の緑〜秋の気配

「この暑さはいつまで続くんだろう…」今年は秋の訪れを疑いたくなるような暑い夏になっていますが、気がつくとちゃんと秋が近づいているようです。

毎年のことなのに、秋の雰囲気を感じる瞬間は、新鮮ではありませんか。

駐車場側入り口から続く、遊歩道の長い橋渡しの側、
夏の終わりに手向けるように夏水仙が咲いていました。

レストラン前の巨木は、禅寺丸柿。

今年はたっぷり実をつけています。

レストランのテラス前では、秋明菊が咲き始めていました。

棚に伸びているのはユウガオでしょうか?
白い花が咲く頃が楽しみです。

最奧の散策路入り口です。
このあたりは真昼でも木陰になっているので、武相荘でも一番涼しい場所です。

正子が通った、峠道の階段。

上を見上げると、モミジの青葉が爽やかです。

さて、武相荘は8月26日(月)から9月6日(金)まで夏季休館となります。
再開は7日(土)から。秋の装いにチェンジして、皆様のご来館をお待ちします。

「武相荘—秋」展と、季節の移ろいを感じに、ぜひ足をお運びください。

2024年8月21日更新【開催レポート】第16回
お能への誘いの会「朝長」

第16回お能への誘いの会「朝長」を2024年8月10日(土)に開催いたしました。
講師は、8月末にセルリアンタワー能楽堂でこの「朝長」舞台本番に挑まれる、主人公を舞うシテ方の友枝雄人氏と、小鼓方の成田達志氏のお二人です。

難しい曲で、演じられることの少ないお能であるという「朝長」。
シテ方の友枝氏は、内容を深く知っていくにつれ、あらためてこの曲の難しさを知ることになったと、お話を始められました。

源朝長について(友枝雄人氏)

朝長は、源義朝の次男坊、保元の乱、平治の乱という当時の世界を大きく変えた戦の果てに、結果的には16歳で散る。

武家の社会が到来するきっかけとなった2つの大きな戦い、先にあった「保元の乱」——これは後白河天皇と崇徳上皇の戦いでもあったが、この戦では、源氏を率いる義朝は、平清盛とともに後白河天皇側あって勝利をおさめ、崇徳上皇を流した。

しかし続く平治の乱で、義朝は散々に打ちのめされる。二条天皇に味方し官軍となった清盛に対し、平家の本拠地であった六波羅に挑むが大崩れ、ほとんど刃が立たず、再起に望みをかけて東国へ落ちていく。

能「朝長」の舞台となっているのは大垣の青墓(岐阜県)、ここは中山道の分岐点にあり宿場町になっていた。青墓は義朝の父(為義)の頃から定宿としてきた所でもあり、ここを取り仕切る女長者は義朝の愛人でもあった。

京都から逃げ落ちた義朝の一団は、途中で青墓に逃げ込んだ。散々に負けて、ここへたどり着いたときには既に4,5騎になっていた。史実では、義平・朝長・頼朝の兄弟、義隆(義朝の叔父)、鎌田政清(家臣)。

この時、朝長は膝を射抜かれていて歩けない状態。乗替え(別の馬への乗り換え)してなんとか青墓へ辿り着いたが、ここからお前は信濃を目指せと言われる。しかし雪の中を進むことができず、引き返してきてしまう。義朝からは「頼朝(途中で別れた)と比べ、情けないやつだ」となど言われる。

源頼朝のことを言うと、朝長は頼朝の兄ではあるが異母兄で、兄弟であっても出自が違う。頼朝の母は熱田神宮の大宮司の娘で、幼少の頃から扱いも違った。そういうこともあった。

青墓に戻ったその夜、朝長は義朝に「足手まといになるから殺してくれ」と言う。
それを聞いた宿の女たちは驚いて義朝を止めるが、夜になって、
朝長は、皆が寝静まった夜半に父を押して、死ぬ。

——史実ではそう伝わっている。

しかし、元雅は、能曲の中では史実と設定を変えていて、4人で訪れた。自ら命をたった。としている。能をずうっと見ていくと、元雅が、朝長の死に焦点を当てたとき、そのように設定を変えたのは、非常に巧みだと感じる。

観世元雅の能(友枝雄人氏)

——ここからは、謡本の一節を友枝氏にならって朗読しながら、能の世界観を感じていきました。

友枝:“次第”のところから、七五調で、朗読してみましょう。

——花の跡訪ふ松風や花の跡訪ふ松風や雪にも恨なるらん——
能楽堂で「花」と出てきたら桜と思って下さい。他の花は例えば「菊」など固有名詞で登場します。また通常は花の後「雪」が出てくると花吹雪、散る桜のイメージですが、この場合は松風を挟んでいるので、本当の雪を表現しています。

——これは青墓の長者にてさむらふ——
若い朝長の死を目撃して、心に深い傷を追った前シテ(前半の主人公)。
「長者」というのは宿場町全体の長を意味します。宿の主人とは格が違うので
この時点で、前シテの装束選びも方向性が出て来ます。それなりの裕福な。

——人の歎を身の上にかかる涙の雨とのみ——
各所に元雅らしい、能ならではの言葉の綾織で、シテの心理状況をかたち作っていると思います。しかし、こういった言葉をこと細かに理解しなくとも、言葉が織りなす“音”が悲しみを伝えてくる、舞台の空間が悲しみの感情で満たされていくのが感じられると思います。

——雪のうち春は来にけり鶯の春は来にけり鶯の凍れる涙今ははや——
これは古今和歌集にある二条后・藤原高子の歌、本来、明るいイメージの歌なんです。元雅は「凍れる涙」だけのために、ここに引いている。どんな感じがするでしょうか。
こういう部分が非常に美しい、元雅の真骨頂だと思います。

現代に重なるテーマ

友枝氏:

朝長は前シテ(青墓の女長者)の語りが、数あるお能の中でもダントツに長くて。本当に挑戦を断念しそうになったほど。しかしこの、女長者が露骨に見ざるを得なかった、朝長の凄惨な死、それを語るシーンに非常な重みがある。

冒頭の話に戻って、自分自身、今どうしてこの曲が気になるのかな?と考えてみると、やはり「死」というもの。死から疎遠になっている(現代の)我々には、死について、よく考える機会が必要ではないか。この曲の中心とも言える、前シテの語り。それと向き合った時に、この曲に取り組むべきなのかなと思った。

面(オモテ)について。朝長と同じように若武者が主人公となる能では「十六」という面が使われる。これはエクボがあって、お歯黒を塗ってあったり、愛らしさの残っている面。しかし朝長では十六は使わず「中将」(成人した男)を使う。ここにも意味がある。

史実では、朝長の死後、青墓を出た義朝は、お共の鎌田政清の、この舅(長田忠致)を頼って知多半島まで辿り着くが、長田父子の裏切りに遭い、あえなく命を落としている。——考えてみれば、その後の平家の滅亡も、最後は九州に加勢を頼んだところを、緒方氏の裏切りで滅びている。

世阿弥や元雅の能は、繰り返される世の虚しさを暗示して、無常観を世に訴えようとしたのではないかと思う。でなければ僕(友枝氏)が、700年を超えて今ここで謡っていないと思う。

成田氏:

この曲は、ほんとに難しい曲・難しすぎて、江戸時代には殆ど演能されていなくて、謡われているだけの時期があった。
そして2時間の大曲で、雄人さんのお話にもあったように、語りの部分が長い。
舞の型が得意な雄人さんが、よくこの曲を選んだな? と思っていたが、今回のお話を聞いて、よく分かった。

小鼓体験ワークショップ・能のリズムを体験!
(成田達志氏)

「小鼓というのは、音を出すのが本当に難しい。」
初めて見る小鼓の縦書きの楽譜を睨みながら、本物の小鼓も触らせていただく、本格ワークショップ。

小鼓の体験をしたら、つぎは楽譜を見ながらの演奏です。

能楽のリズムは、日本人ならどこか懐かしい響きもありつつ、やっぱり難しい!

「まだまだ声が小さいよ」と、成田先生の軽妙なトークに乗せられて(教えられて)20分以上の集中稽古。最後のころには参加者の皆さん、ヨ〜、ホー、の声も様になってきておりました。

難しいと思われがちなお能ですが、お二人の能楽講座を体験すると、自分ならではの興味の糸口を掴めた気がしました。また能を通して、日本の風土や感性について知ることが非常に多く、今後もたくさんの皆さんに能の楽しみを知っていただけたらと思った回でした。

舞台本番が非常に楽しみです。

2024年8月31日(土)五蘊会 友枝雄人「朝長」

武相荘 お能への誘いの会 次回開催もどうぞお楽しみに。
(最新情報は当ウェブサイトおよび、Facebookでお知らせいたします。)

2024年8月9日更新武相荘の骨董市(第22回)

2024年10月13日(日) 朝10時開場・入場無料

武相荘の門前に所狭しと骨董屋さんが立ち並ぶ、楽しい骨董市。本年の3回目開催のご案内です。和骨董、西洋骨董から、仏教美術までさまざなジャンルの骨董が武相荘に集います。

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現代では作ることの出来なくなってしまった品々との時代を超えた出会い。
眼で見て触って、あなただけの「ほんもの」を見つけてください。

10月、豊かな自然に囲まれた武相荘は、まるごと秋の雰囲気です。
買い物が一段落したら、ぜひゆっくり邸内の散策もお楽しみください。

お車でお越しの皆様へ
当日、武相荘の駐車場は混雑が予想されます。満車の場合、路上でお待ちいただくことはできませんので、あらかじめ近辺のコインパーキング利用もご検討ください。武相荘近辺のコインパーキング参考情報はこちら

開催概要

日程

2024年10月13日(日)開催
開始時刻: 朝10:00 ※1,※2


終了時刻: 品物がなくなり次第終了(最終15:30頃)
会場 武相荘/参加無料・予約不要

※1) 入口2箇所(ユニクロ側・駐車場側)は同時刻に開門致しまします。
※2)「武相荘の倶楽部」メンバーは開場15分前よりご入場いただけます(同伴者は不可)。会員証をお忘れなく。

2024年10月15日更新銀座・森岡書店にて、
白洲正子「特別装丁本」イベントを開催

このイベントは終了いたしました。ご来場の皆様まことに有難うございました。今後のイベント予定は当ウェブサイトのほか、InstagramFacebook でもお届けしています。

銀座にあり「一冊の本を売る書店」として話題を集めている『森岡書店』さんで、10月29日からの6日間、白洲正子の『特別装丁本』を展示・販売するイベントが開催しています。

この特装本は、一冊一冊、正子が残した着物の裂を用いて装丁したもので、
20数年前に、白洲次郎・白洲正子の長女である牧山桂子の発案により製作されました。


数十冊を超える特装本は、それぞれの内容にちなんだ織、裂などを用いて装丁されており、非常に緻密な製本家の手仕事が、一冊一冊にまるで正子が楽しんだ骨董のような表情を与えています。

現在ミュージアムとして一般公開されている武相荘、そして牧山家に20年以上所蔵されていた特装本を、今回『森岡書店』さんとのご縁で、展示・一部を販売するイベントを開催することとなりました。(価格は1冊70,000円〜の予定)


白洲正子のエッセンスが詰め込まれた、二つとない本。
一冊の本を売る書店『森岡書店』さんでの展示会どうぞお楽しみに。



会期:2024年10月29日(火)〜11月3日(日・祝)

  • 会場:森岡書店 銀座店
  • 住所:東京都中央区銀座1−28−15 鈴木ビル1階
  • 営業時間:13:00〜19:00、月曜休
  • 電話:03-3535-5020