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2024年11月8日 食で長浜市に親しむイベント “Nagahama Tradition”

このイベントは終了いたしました。ご来場の皆様まことに有難うございました。今後のイベント予定は当ウェブサイトのほか、InstagramFacebook でもお届けしています。

滋賀県長浜市と武相荘のコラボイベント第1弾として、食を通して長浜市を知るディナーイベントを2024年12月5日(木)に開催いたします。

観光連携協定の幕開けイベント。一般募集のお席のご用意は僅かとなってしまいますが、ご興味ご関心をお持ちいただける方のご参加を心よりお待ちしております。

開催内容の詳細と、応募方法は、下記のプレスリリースをご確認ください。

長浜市観光協会、白洲次郎・正子の終の棲家「旧白洲邸武相荘」とコラボイベント
“Nagahama Tradition”、開催決定!

観光連携協定を締結している滋賀県長浜市(公社)長浜観光協会と旧白洲邸 武相荘。両社は湖北長浜の食をテーマにしたレストランイベント“Nagahama Tradition”を12月5日に開催することを発表しました。

白洲正子はその代表作である「近江山河抄」をはじめ多くの著作で長浜市の風物を題材としており、また家族を連れ立って定期的に同地を訪れていました。そんなご縁がもととなり、2024年6月に両社は観光連携協定を締結しました。

両社の本格的なコラボレーションは今回が初、となります。

豊臣秀吉ゆかりの城下町として、また琵琶湖北岸の商業・観光都市として栄える長浜市は鴨や近江牛、そして琵琶湖産の魚類等、豊富な食材にも恵まれています。選びこまれた冬の長浜食材と武相荘レストランシェフによるオリジナル・コース料理…湖北長浜の粋を体感できるプレミアムなイベント、“Nagahama Tradition @武相荘”にぜひご参加ください。

開催概要

日時:令和6年12月5日(木)18時開場 18時30分スタート
場所:旧白洲邸 武相荘
TEL.042-735-5732 
内容:武相荘レストランシェフによる解禁したての鴨をはじめとする長浜市産物を用いたコース料理のご提供。初のコラボイベントにてスペシャルプライスにてお料理をご提供いたします。
参加費用:¥5,500(税込)
募集人数:5名限定
申し込み締め切り:11月28日

お申し込み

下記リンク先のPassmarketにてチケットをお求めください。
満席となりました。(11月9日)
応募URL: https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01pw1crqx9341.html
(クレジットカードまたはPaypayでの決済)

2024年10月24日 フォトレポート
クラッシックカーを楽しむ会2024
(武相荘の倶楽部イベント)

2024年10月5日(土)、武相荘の倶楽部のメンバーで、埼玉県加須市にあるワクイ・ミュージアムを訪問しました。

ここには白洲次郎が英国留学時代(1920年代)に所有し、ヨーロッパ中を旅していた相棒のベントレー、その実物があります。

白洲次郎のベントレー(往時から変わらぬナンバーはXT 7471)

クラッシックのロールス・ロイスとベントレーを扱う企業/博物館として日本随一といえるワクイ・ミュージアム

今回も、創立者である涌井清春さんが直々に、数々の名車を熱量高く詳しくご案内くださいました。

吉田茂のロールス・ロイス(写真右側)
20世紀後半の最高傑作 Bentley R-Type Continental
Bentley R-Type Continental
1919 Rolls-Royce 40/50Hp Silver Ghost “Alpine-Eagle”

途中、涌井さんの計らいで、白洲次郎のベントレーにエンジンをかけていただくサプライズも!(ヘッドライトも可愛く点灯していました。)

轟音に唸る車体。皆さんは夢中です。

古くは100年近く前に作られた車たちですが、見事にメンテナンスされ殆どの車が現役で走ります。

ミュージアムの次は広い敷地内をしばらく歩いて、ヘリテージへ。

ワクイ・ミュージアム創設者 涌井清春氏(写真左手)

しなやかで力強いベントレーの車体のライン。ロールスロイスの溜め息の出るような美しさ…… まだ車というもののイメージもお手本もなかった時代に、どうしてこんなに美しい車を作ることが出来たのでしょうか?
一台一台の車に感動と学びがあります。

あいにくの天候でしたが、秋雨も心地よく感じられる大人のひとときになりました。

涌井様、ワクイ・ミュージアムの皆様、今回も本当にありがとうございました。

2025年2月12日 清香月陰LIVE
三味線 岩田桃楠 × パーカッション さのみきひと

このイベントは終了いたしました。ご来場の皆様まことに有難うございました。今後のイベント予定は当ウェブサイトのほか、InstagramFacebook でもお届けしています。

春爛漫の宵に、フリースタイルな三味線奏者と自由気まますぎるパーカッショニストがもどってきます。ジャズでもなくフュージョンでもなくコンテンポラリーでもなく、ジャンルレスな楽曲で、「音」を「楽」しむひとときをお過ごしください。

出演者

岩田桃楠
1993年大阪府箕面市出身。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。
両親がジャズミュージシャンという環境で育つ。9歳で津軽三味線の即興性に感電し稽古を開始。大学進学にて上京後、演奏活動を行い、ヨーロッパ、アジア、中東、北米など、国外でも演奏を経験。2019年ソロアルバム「Shamisen Tokyo」をリリース。日米協会主催によるソロコンサートをアメリカミネソタ州にて開催。
都内を中心にこれまで自主公演「Shamisen Collection」を表参道ヒルズ、丸の内コットンクラブ、渋谷ストリームホールにて開催。クロスオーバーな環境で培った発想を武器に、現代の三味線音楽を模索する。一般社団法人三味線表現協会代表理事。

さのみきひと
1996年兵庫県西宮市出身。 東京藝術大学音楽学部器楽科打楽器専攻卒業。
これまでに打楽器を茶屋克彦氏、中山航介氏、藤本隆文氏、杉山智恵子氏に師事。
サポート、レコーディングに加えトラックメイクや一人芝居など、打楽器演奏だけに留まらないマルチアーティストとして活動中。即興打楽器集団LA SEÑASのメンバー。
2024年38か所を巡回する全国ツァー開催。1st アルバムリリース。

ライブ参加者限定で、演奏者を囲んでのアフターライブディナーも開催!(ライブ終了後18:00より)武相荘レストランのシェフが腕をふるうコース料理※に、ワイン、ビール、他フリードリンクがつきます。ご希望のかたはディナー付きのチケットをご購入ください。
(※お料理はテーブルごと大皿からの取り分けでの配膳となります)

開催概要・お申し込み

日程 2025年4月12日(土) 開演16:30(約90分間)
武相荘入場時にチケット売り場でチケット画面をご掲示ください。
16:00開場 ※開演5分前までに入場ください。
会場 旧白洲邸 武相荘 能ヶ谷ラウンジ
定員 全席自由・40名
参加費

★満席となりました。(3/3更新)
★ディナー開催決定いたしました!
※キャンセル待ちをご希望の方は、三味線表現協会admn@shamisenhyogen.org)までご連絡下さい。

  • チケット
    LIVEのみ: 5,100円
    LIVE+武相荘レストランディナー: 13,000円

    ※どちらも税込代金
    ※ディナーはテーブルごとシェアスタイルでの配膳となります。
  • 武相荘当日フリーパス付
    イベント参加者は庭園内全域と、武相荘ミュージアムをご観覧いただけます。(一般入場券1,500円分)
    1. 武相荘入場時にチケット売り場でイベント参加者である旨をお伝えください。
    2. ミュージアム鑑賞はイベント開始前のお時間をご予定ください。(ミュージアムは17時終了のため)
お申し込み
募集締切とキャンセルにつきまして
  • ライブ募集締切:2025年4月11日(金)
    ディナー募集締切:2025年4月5日(土)
  • キャンセル期限:2025年4月5日(土)※ライブ、ディナーとも

キャンセルは上記お問い合わせ先までご連絡ください。
原則として上記キャンセル期限を過ぎてのご連絡では、代金の払い戻しは行えません。

2024年10月17日 秋色の邸内(柿の木についての記録)

入り口のショップ前の柿の木です。時折ハラハラと、枯葉が落ちてきます。

PAIGEのあるガレージ。窓から覗く景色もすっかり秋色に染まってきました。

ガレージの中央には暖炉があります。冬が近づくと炭を起こすのですが、
まだ出番ではなさそうです。まだもう少し、蚊取り線香が必要そうです。

邸内へ入る瓦門。白洲正子が気に入って武相荘へ移築したものです。

さて上の写真。ご存じの方は、もしかしたら景色の変化にお気づきでしょうか。
実は・・・少し前に大事件が発生していました。

武相荘の名物でもあったレストラン入り口前の、樹齢140年と言われる柿の巨木が地響きを立てて倒れました。このところ太い枝が垂れ下がりはじめ伐採工事をしたりしたのですが、ついに寿命が尽きたと言うことでしょうが、どなたもお怪我なく無事でした。手を入れ除去しますが、大分景色も変わるでしょう。(武相荘館長のFacebookより

白洲正子と、親しかった森林学者のどろ亀先生(高橋延清氏・東大名誉教授)との対談を読むと、森や木にも寿命があり生まれ変わりのサイクルがあるそうです。とても寂しいですが、新しい景色のことも考えようと話しています。

さて、武相荘の一番奥にある、散策路へ来てみました。
昔、正子もよく歩いたという道です。

秋になり、街中では見ることのない山野草が見られます。こちらはオケラ。

コウヤボウキ

ガマズミ。赤い実が綺麗です。

モミジの青葉が見える石段を降りて、邸内へ戻ります。

やっと涼しくなり、気持ちの良い日が多くなってきました。

武相荘のミュージアムでは「武相荘—秋」展を開催中です。
昔のままの自然を残す環境の中で、ランチ、カフェとあわせ是非ごゆるりとお楽しみください。

2024年9月19日 中秋

涼しい秋を心待ちにしているうちに、9月も半ばを過ぎました。
各地で秋祭りも開催され、中秋の名月も過ぎました。お月見されましたか?

柿の実も赤く色づいてきました。武相荘には柿の古木が何本かありどれも大木なので秋の風物詩です。

門の脇、納屋の縁の下には、芝刈り機が置いてあります。次郎が使っていたものでデザインも面白いので当時のまま置いてあります。

階段脇の大壺にはツルウメモドキが見事です。
納屋を上へ登ると、小展示室「Bar PlayFast」があります。
現在、自由にご観覧いただけるように開放しております。

庭に目を向けると、秋の草花がチラホラ。

こちらはヌスビトハギ。
タネができると、衣服にくっついて厄介な草ですが、花は可愛らしいですね。

こちらはアレチノヌスビトハギ、近年の外来種だそうです。

奥側の散策路には、もうドングリ(樫の実)が落ちていました。
風に揺られたのか、鳥が落としたのでしょうか。

レストランのテラスの向かい側、野生、自然そのもののような緑の景色。
中央の石仏は正子が惚れ込んで設置したものです。

クラッシックカーPAIGE(ペイジ)が停まっているオープンスペース。
元は白洲次郎のガレージでした。

さて、武相荘の四季の展示、9月からは「武相荘—秋」展がスタートしています。

今回の一つの見どころは、次郎・正子と親しかった方々からの手紙や葉書の展示。
若き正子に宛てた青山二郎からの長い手紙、小林秀雄からのちょっとした葉書、吉田茂元首相が次郎に宛てた筆書きの手紙など、6つのガラスケースに展示しています。

囲炉裏のある十五畳には、正子の所蔵品を中心に大胆な展示を展開しています。
じっくりお楽しみいただけましたら幸いです。

2024年8月21日 夏の緑〜秋の気配

「この暑さはいつまで続くんだろう…」今年は秋の訪れを疑いたくなるような暑い夏になっていますが、気がつくとちゃんと秋が近づいているようです。

毎年のことなのに、秋の雰囲気を感じる瞬間は、新鮮ではありませんか。

駐車場側入り口から続く、遊歩道の長い橋渡しの側、
夏の終わりに手向けるように夏水仙が咲いていました。

レストラン前の巨木は、禅寺丸柿。

今年はたっぷり実をつけています。

レストランのテラス前では、秋明菊が咲き始めていました。

棚に伸びているのはユウガオでしょうか?
白い花が咲く頃が楽しみです。

最奧の散策路入り口です。
このあたりは真昼でも木陰になっているので、武相荘でも一番涼しい場所です。

正子が通った、峠道の階段。

上を見上げると、モミジの青葉が爽やかです。

さて、武相荘は8月26日(月)から9月6日(金)まで夏季休館となります。
再開は7日(土)から。秋の装いにチェンジして、皆様のご来館をお待ちします。

「武相荘—秋」展と、季節の移ろいを感じに、ぜひ足をお運びください。

2024年8月21日 【開催レポート】第16回
お能への誘いの会「朝長」

第16回お能への誘いの会「朝長」を2024年8月10日(土)に開催いたしました。
講師は、8月末にセルリアンタワー能楽堂でこの「朝長」舞台本番に挑まれる、主人公を舞うシテ方の友枝雄人氏と、小鼓方の成田達志氏のお二人です。

難しい曲で、演じられることの少ないお能であるという「朝長」。
シテ方の友枝氏は、内容を深く知っていくにつれ、あらためてこの曲の難しさを知ることになったと、お話を始められました。

源朝長について(友枝雄人氏)

朝長は、源義朝の次男坊、保元の乱、平治の乱という当時の世界を大きく変えた戦の果てに、結果的には16歳で散る。

武家の社会が到来するきっかけとなった2つの大きな戦い、先にあった「保元の乱」——これは後白河天皇と崇徳上皇の戦いでもあったが、この戦では、源氏を率いる義朝は、平清盛とともに後白河天皇側あって勝利をおさめ、崇徳上皇を流した。

しかし続く平治の乱で、義朝は散々に打ちのめされる。二条天皇に味方し官軍となった清盛に対し、平家の本拠地であった六波羅に挑むが大崩れ、ほとんど刃が立たず、再起に望みをかけて東国へ落ちていく。

能「朝長」の舞台となっているのは大垣の青墓(岐阜県)、ここは中山道の分岐点にあり宿場町になっていた。青墓は義朝の父(為義)の頃から定宿としてきた所でもあり、ここを取り仕切る女長者は義朝の愛人でもあった。

京都から逃げ落ちた義朝の一団は、途中で青墓に逃げ込んだ。散々に負けて、ここへたどり着いたときには既に4,5騎になっていた。史実では、義平・朝長・頼朝の兄弟、義隆(義朝の叔父)、鎌田政清(家臣)。

この時、朝長は膝を射抜かれていて歩けない状態。乗替え(別の馬への乗り換え)してなんとか青墓へ辿り着いたが、ここからお前は信濃を目指せと言われる。しかし雪の中を進むことができず、引き返してきてしまう。義朝からは「頼朝(途中で別れた)と比べ、情けないやつだ」となど言われる。

源頼朝のことを言うと、朝長は頼朝の兄ではあるが異母兄で、兄弟であっても出自が違う。頼朝の母は熱田神宮の大宮司の娘で、幼少の頃から扱いも違った。そういうこともあった。

青墓に戻ったその夜、朝長は義朝に「足手まといになるから殺してくれ」と言う。
それを聞いた宿の女たちは驚いて義朝を止めるが、夜になって、
朝長は、皆が寝静まった夜半に父を押して、死ぬ。

——史実ではそう伝わっている。

しかし、元雅は、能曲の中では史実と設定を変えていて、4人で訪れた。自ら命をたった。としている。能をずうっと見ていくと、元雅が、朝長の死に焦点を当てたとき、そのように設定を変えたのは、非常に巧みだと感じる。

観世元雅の能(友枝雄人氏)

——ここからは、謡本の一節を友枝氏にならって朗読しながら、能の世界観を感じていきました。

友枝:“次第”のところから、七五調で、朗読してみましょう。

——花の跡訪ふ松風や花の跡訪ふ松風や雪にも恨なるらん——
能楽堂で「花」と出てきたら桜と思って下さい。他の花は例えば「菊」など固有名詞で登場します。また通常は花の後「雪」が出てくると花吹雪、散る桜のイメージですが、この場合は松風を挟んでいるので、本当の雪を表現しています。

——これは青墓の長者にてさむらふ——
若い朝長の死を目撃して、心に深い傷を追った前シテ(前半の主人公)。
「長者」というのは宿場町全体の長を意味します。宿の主人とは格が違うので
この時点で、前シテの装束選びも方向性が出て来ます。それなりの裕福な。

——人の歎を身の上にかかる涙の雨とのみ——
各所に元雅らしい、能ならではの言葉の綾織で、シテの心理状況をかたち作っていると思います。しかし、こういった言葉をこと細かに理解しなくとも、言葉が織りなす“音”が悲しみを伝えてくる、舞台の空間が悲しみの感情で満たされていくのが感じられると思います。

——雪のうち春は来にけり鶯の春は来にけり鶯の凍れる涙今ははや——
これは古今和歌集にある二条后・藤原高子の歌、本来、明るいイメージの歌なんです。元雅は「凍れる涙」だけのために、ここに引いている。どんな感じがするでしょうか。
こういう部分が非常に美しい、元雅の真骨頂だと思います。

現代に重なるテーマ

友枝氏:

朝長は前シテ(青墓の女長者)の語りが、数あるお能の中でもダントツに長くて。本当に挑戦を断念しそうになったほど。しかしこの、女長者が露骨に見ざるを得なかった、朝長の凄惨な死、それを語るシーンに非常な重みがある。

冒頭の話に戻って、自分自身、今どうしてこの曲が気になるのかな?と考えてみると、やはり「死」というもの。死から疎遠になっている(現代の)我々には、死について、よく考える機会が必要ではないか。この曲の中心とも言える、前シテの語り。それと向き合った時に、この曲に取り組むべきなのかなと思った。

面(オモテ)について。朝長と同じように若武者が主人公となる能では「十六」という面が使われる。これはエクボがあって、お歯黒を塗ってあったり、愛らしさの残っている面。しかし朝長では十六は使わず「中将」(成人した男)を使う。ここにも意味がある。

史実では、朝長の死後、青墓を出た義朝は、お共の鎌田政清の、この舅(長田忠致)を頼って知多半島まで辿り着くが、長田父子の裏切りに遭い、あえなく命を落としている。——考えてみれば、その後の平家の滅亡も、最後は九州に加勢を頼んだところを、緒方氏の裏切りで滅びている。

世阿弥や元雅の能は、繰り返される世の虚しさを暗示して、無常観を世に訴えようとしたのではないかと思う。でなければ僕(友枝氏)が、700年を超えて今ここで謡っていないと思う。

成田氏:

この曲は、ほんとに難しい曲・難しすぎて、江戸時代には殆ど演能されていなくて、謡われているだけの時期があった。
そして2時間の大曲で、雄人さんのお話にもあったように、語りの部分が長い。
舞の型が得意な雄人さんが、よくこの曲を選んだな? と思っていたが、今回のお話を聞いて、よく分かった。

小鼓体験ワークショップ・能のリズムを体験!
(成田達志氏)

「小鼓というのは、音を出すのが本当に難しい。」
初めて見る小鼓の縦書きの楽譜を睨みながら、本物の小鼓も触らせていただく、本格ワークショップ。

小鼓の体験をしたら、つぎは楽譜を見ながらの演奏です。

能楽のリズムは、日本人ならどこか懐かしい響きもありつつ、やっぱり難しい!

「まだまだ声が小さいよ」と、成田先生の軽妙なトークに乗せられて(教えられて)20分以上の集中稽古。最後のころには参加者の皆さん、ヨ〜、ホー、の声も様になってきておりました。

難しいと思われがちなお能ですが、お二人の能楽講座を体験すると、自分ならではの興味の糸口を掴めた気がしました。また能を通して、日本の風土や感性について知ることが非常に多く、今後もたくさんの皆さんに能の楽しみを知っていただけたらと思った回でした。

舞台本番が非常に楽しみです。

2024年8月31日(土)五蘊会 友枝雄人「朝長」

武相荘 お能への誘いの会 次回開催もどうぞお楽しみに。
(最新情報は当ウェブサイトおよび、Facebookでお知らせいたします。)

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