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2025年9月17日 クラッシックカーと武相荘

いつもはPAGEが1台停まっている武相荘の門前に
今日は素敵な外車が2台停まっていました。

実は、武相荘のイベントスペース・能ヶ谷ラウンジで開催されていたクラッシックカーの写真展(鈴木達郎氏 クラッシックカー写真展 “Meet the Classic”)の一環としての、粋な演出でした。

BMW2002 1974年ドイツ製
Triumph TR4(1960年代)
展示風景(1)ヨーロッパを中心に美しい風景の中で輝くクラッシックカーの写真
展示風景(2)鈴木さん撮影の写真を背景としたミニチュア作品の展示

車と人間の関係性が、今とは少し違った時代の
素敵な車たちと人々の写真展。素敵でした。

さて、9月も半ばを過ぎ、武相荘の木々もだんだん秋色になってきました。
ショップの前の柿の木もたわわに実を実らせています。
禅寺丸柿は、武相荘の最寄駅「鶴川」の隣駅「柿生」の由来にもなった、昔からこの地域に根付く品種です。食べると美味しい甘柿です。

茅葺き屋根の母屋、ミュージアム
棚にはオキナワスズメウリを植えています。

上手く育てば、こんな実がつきます。
(レストラン入口の花生け)

暑過ぎた夏のためか、今年は秋の花が苦労しているようにみえます。
秋明菊(レストランテラス前)

ゲンノショウコ(レストラン入口の向かい側あたり)

ミュージアムでは『武相荘の秋』展を開催中。
新企画『韋駄天お正の取材旅』では、日本各地へ旅をした正子が、どんなものを見、感じたのかに焦点をあて、原稿とともに残された取材ノートを展示しています。ぜひお見逃しなく。

ご来館の際は、ぜひゆっくりとお寛ぎください。

2025年9月4日 『武相荘の秋』展 2025

会期: 2025年9月6日(土)〜11月30日(日)
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時(入館は16時半までとなります)

囲炉裏の部屋
手前左の台/瀬戸馬の目皿(江戸時代後期)、籠、燭台
手前中央の台/唐津灰釉壺(江戸時代初期)、織部桐文台皿(江戸時代初期)
中央のお盆/瀬戸むぎわら手片口(江戸時代中期)、瀬戸むぎわら飯茶碗(江戸時代後期)
中央右の朱のお盆/古伊万里猪口四種、奧右側の台/瀬戸鉄釉菊文片口(江戸時代中期)ほか
〜特別展示『韋駄天お正の取材旅』〜 写真左側3点
日本各地へ旅をした正子がどんなものを見、感じたのか
原稿とともに残された取材ノートを展示しています
写真右・奥/正子が着用していたシャネル・スーツ
写真左/手前:紺紬地金箔吹寄文着物、奥:宗廣力三作・郡上紬格子文羽織
写真右上/次郎着用のハウンド・トゥース・チェック(千鳥模様)のツイードジャケット
写真右下/奥座敷・秋のきもの、帯各種の展示、皿:加藤重高

武相荘の秋 開催にあたって

夏も終わりに近づき、木犀の香りが漂いはじめ
秋の気配が感じられる頃になると、正子は気持ちや
身の回りを秋に向かって切り替えていくのでした。
ガラスの食器など夏を感じさせる品々は
秋を迎えるのにふさわしくないと、隅に追いやり
替わりにぬくもりの感じられる木地の品々や
秋草を活ける花器などで身辺をかため、
日本に四季のあることを喜んでおりました。

牧山桂子

2025年8月31日 【開催レポート】武相荘 第17回お能への誘いの会「隅田川」

武相荘『お能への誘いの会』第17回のレポートをお届けいたします。
今回は、能の“狂女物”の代表的作品のひとつ『隅田川』がテーマとなりました。

2025年8月10日(日)開催【講師】シテ方喜多流 友枝雄人氏 / 小鼓方幸流 成田達志氏

本レポートでは友枝雄人氏からのお話を中心に、その一部をご紹介いたします。

友枝氏・成田氏による、謡と演奏の実演

隅田川のみどころ1「狂女」

まず狂女物の「狂女」という言葉ですが、私は子供の頃から繰り返し接してきましたが難しい言葉で、漢字そのままの英語のクレイジーではなく、「思いを持った女性」「思いを遂げるための行動をとっている女性」を狂女という。

狂女物は、曲としては殆どが愛する人を捜し求める旅の曲となっている。当時の女性の一人旅というのは非常な危険がともなう。狂女という状態になる――扮するわけではなく現実と非現実のあいだの非常に中途半端な状態を示す――ことで、危険な旅をしていけた面があると思う。

さて、隅田川の狂女は行方知れずとなった愛する子供を探して旅に出るお母さん。精神的には平常を離れているんだけれども、ただしそこには波がある。はっきり申し上げてしまうと「躁」と「鬱」。

狂女物の演能は、必ず躁と鬱の波があり、目的を遂げるために躁と鬱のあいだをずっと漂っているその姿を描く。その姿を見ていただくのが能の狂女物と言える。

ところが隅田川は、他の狂女物と全く違う作りになっている。躁と鬱の波について、たとえば桜川、三井寺では、最後に子に巡り合えて、親子ともども出家して…という穏やかな終わり方。これに対して隅田川は、死後に子供の死を目の当たりにする。

作者の元雅は、誰にも訪れる…覆いかぶさる「死」というものを深く冷静に見つめながら、その辛いものである死を、ある面で突き放して表現していると思う。

シテ(狂女)の最初のセリフ「人の親の心は闇にあらねども…」
この歌は、後撰和歌集の歌をそのまま使っているが、まさにこの母の本心を歌っている。

隅田川の見どころ2「能と和歌」

和歌には「本歌取り」という手法があるが、隅田川も本歌取りで展開するやりとりが主題を際立たせ、能の完成度を高めている。

隅田川では、古今和歌集に勅選された在原業平の
「名にし負はば いざ言問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」
という歌。

都にいられなくなって東国へ下った在原業平が、隅田川のほとりに着いたときに、望郷の念をいだいて歌ったというこの歌が前半の柱になっている。

前半の中ほど、狂女のシテが登場して、舟に乗ろうと船頭に話しかける。
「なうなう船頭殿 舟に乗り候べし」
このところからが、業平の東下りとシンクロしているところ。

船頭は、めずらしい狂女が来たので「狂女であれば、面白く狂え、狂わなければ舟には乗せないよ」とからかい始めるが、ここから業平の東下りをオマージュした、狂女と船頭の軽快なやりとりがはじまる。

狂女だけでなく船頭さんも東下りを下敷きにして、ある時はかみ合い、あるときは外して、会話が深まっていく。

結びの部分
シテ「沖の鴎と夕浪の 昔に返る業平も」
ワキ「ありやなしやと言問ひしも 都に人を思ひ妻」
シテ「妾も東に思ひ子の 行方を問ふは同じ心の」
ワキ「妻を忍び」
シテ「子を尋ぬるも」
ワキ「思ひは同じ」
シテ「恋路なれば」

本歌取りした東下りと、狂女であるお母さんの旅路が、ふっと、一致する。
ここで前半が昇華する。
隅田川のこの段は本当によく出来ていると思う。
作者の元雅は東下りをかなり理解していると思う。

隅田川の見どころ3「子役演出に関する、元雅と世阿弥の論争」

能楽の世界では有名な論争だが、作者の元雅に対して父の世阿弥が、隅田川の「子」は母親だけに見える幻なのだから、本物の子役は出さない方がよいのではないか、という立場をとっている。これに対し元雅は、そんなことは絶対にありえない、といって反論している。

この論争が明らかになったのは明治時代で、それまでの数百年間は、子方を出すという演出が伝承されてきた。私自身も子方としての経験もある。(役柄としては12~3歳なのだが、4、5歳の子供を出すのは涙を誘うための演出。船頭さんとの会話場面がある。)

さて、子役を出す・出さないについて、近年では
出す場合、全く出さない場合、声だけ出す場合、の3種類がある。

今回は、より古い文献なども紐解いて、子方を出さない演出に取り組む。
塚や舟といった作りものについても、改めてどうあるべきか考えたので、ぜひ舞台を楽しみにしてほしい。

以上、友枝雄人氏のお話より。
イベント後半は、成田達志氏による囃子方から見た隅田川の魅力のお話、小鼓体験ワークショップで能の音楽を体験いたしました。

あいにくの雨の中でしたが、約50名の満席での開催となりました。ご参加の皆さま誠に有難うございました。9月6日の舞台本番もどうぞお楽しみに!

2025年9月6日開催「五蘊会」(対談「隅田川の演出について」高桑いづみ&小田幸子/狂言「簸屑」野村万之丞/能「隅田川」友枝雄人)

2025年8月23日 武相荘の骨董市(第26回)

2025年10月19日(日) 朝10時開場・入場無料

武相荘の門前に所狭しと骨董屋さんが立ち並ぶ、楽しい骨董市。和骨董、西洋骨董から、仏教美術までさまざなジャンルの骨董が武相荘に集います。

10月中旬の開催、秋はモノやコトとじっくり向き合うのに適した季節。
秋の収穫を祝い冬支度をはじめた昔の人々の生活が感じられる和骨董、秋冬の室内を美しく彩る西洋アンティークなど、どうぞご期待ください。
眼で見て触って、ぜひあなただけの「ほんもの」を見つけてください。

お車でお越しの皆様へ
当日、武相荘の駐車場は混雑が予想されます。満車の場合、路上でお待ちいただくことはできませんので、あらかじめ近辺のコインパーキング利用もご検討ください。武相荘近辺のコインパーキング参考情報はこちら

開催概要

日程

2025年10月19日(日)開催
開始時刻: 朝10:00 ※1,※2


終了時刻: 品物がなくなり次第終了(最終15:30頃)
会場 武相荘邸内4カ所に展開
  • 瓦門までの通路沿い
  • オープンカフェスペース
  • 外階段下の『能ヶ谷ラウンジ』
  • 武相荘ショップ
入場料 入場無料・予約不要
※通常500円の庭園入場料が骨董市の日は無料です。尚ミュージアム観覧は別途チケットが必要です。

※1) 入口2箇所(ユニクロ側・駐車場側)は同時刻に開門致しまします。
※2)「武相荘の倶楽部」メンバーは開場15分前よりご入場いただけます(同伴者は不可)。会員証をお忘れなく。

2025年8月20日 オミナエシ、オオシオカラトンボ

何百年もの夏を過ごされてきた仏様も驚かれているであろう、今年の暑さ。

武相荘などの里山は街中より1〜2度は涼しく、動植物にとっては貴重なエリアになっているのかもしれません。

前週はいくらかまとまった雨も降り、森の緑からは勢いと元気が感じられます。

正面の瓦門を抜けると、右手に小展示室のBar PlayFast、隣にレストラン・カフェ武相荘、奥に茅葺き屋根のミュージアムと建物が並びます。もとはすべて白洲家の住居でした。

家族連れのお母さんが「ほら、青いトンボ、大きなトンボだね〜」とお子さんに伝えていらっしゃいました。『オオシオカラトンボ』という種類です。ゆうゆうと飛んで沢山咲いているオミナエシの中にとまりました。

レストランのテラス前。オミナエシの他にはピラミットアジサイが咲いています。
もうすぐ秋明菊も咲いてきそうです。

柿の木の下の少し日陰になったところには、鮮やかなヒオウギの花と、米粒のようなかわいい花をつけたミズヒキが咲いていました。

ミュージアムです。武相荘は8月25日から夏季休館となります。夏の展示は24日(日)まで。休み明けは9月6日(土)から、展示替えもして秋の装いでスタートいたします。

ミュージアム奥側からの眺め

入口近く、ガレージのオープンスペースへ戻ります。

休憩所になっているこのスペースに、少しですが、正子の著作を中心に、自由にご覧いただける本を設置いたしました。ご来館の際はぜひごゆるりとお過ごしください。

2025年8月12日 鈴木達郎氏 クラッシックカー写真展 “Meet the Classic”

Classic Car Photo Exhibition

Meet the Classic

9月12日(金)~15日(月)までの4日間、武相荘のイベントスペース能ヶ谷ラウンジにて、鈴木達郎氏の写真展を開催いたします。

会期中は武相荘正面の瓦門の前に、クラッシックカー2台を配置します。(1台はご自身所有の車両です)写真展と合わせ、どうぞお楽しみに。

写真展にお越しの方は、庭園入場料(500円/一般)がかかります
武相荘ミュージアムもご覧いただく場合には、ミュージアム入館料込みの武相荘入場券をお求めください。(入場券詳細はこちら

鈴木達郎氏 プロフィール
1954年東京生まれ(71歳)。
生まれて初めて乗った外国車は1956年型フォードフェアレーン。
授業を抜け出し東京モーターショーに行くなど車中心の少年時代を過ごす。
1977年慶應義塾大学法学部卒、同年TBS入社。
NEWS23、アッコにおあかせ等、報道からバラエティーまで幅広いジャンルの番組ディレクターを担当。土曜夜10時「ブロードキャスター」プロデューサーを13年間務める。
現在はモーターフォトグラファーを目指して活動中。

2025年7月29日 「旧白洲邸 武相荘」紹介ムービー / The Former Shirasu Residence “Buaiso” – A Short Film

当館「武相荘」の主人であった白洲次郎と白洲正子、そして邸宅としての武相荘について、最新技術を駆使した映像と素晴らしい音楽で軽快に紹介していく短編ムービーが出来上がりました。

音楽は Jazztonrik 野崎良太さん、ナレーションは 海老原由佳さんがご担当くださり、自然豊かな環境にありながら、今も色褪せないスタイルの感じられる武相荘にぴったりの雰囲気を感じていただけます。

次郎・正子に関する未公開の映像や写真も散りばめ、ファンの方々にもお楽しみいただける作品に仕上がっています。ぜひお楽しみください。

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