2016年の記事一覧

2016年3月9日更新2/17,21開催 ソムリエ岡島直樹さんワイン講座・基礎編 開催レポート

2016年2月17日(水)と21日(日)の2回開催いたしました「家庭で楽しむワインの基礎知識」
——ソムリエ岡島直樹さんワイン講座・基礎編 のレポートです。

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
平日の午後・・・土日開催が多い武相荘のイベントですが、岡島さんのご厚意もあり、土日はお仕事という方に向けて、今回は水曜日にも開催いたしました。

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
開催前。武相荘レストランに整然と並べられたグラス。期待が膨らみます。

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
ソムリエ岡島直樹さん。
胸に光るソムリエバッヂ。麗しき紳士の冗談交じりの自己紹介でワイン講座が始まりました。
元々は、一流レストランでコックをされていた岡島さん、フランスを遍歴されやがて転機を迎え、ソムリエを志されたそうです。
当時は日本にはワインの種類は(日本に入って来ているものは)それほど無かったそうです。

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
「家庭で楽しむ」というキャッチフレーズに、ふわっとしたイメージで望んでしまいましたが
お話は、文字通りの基礎の基礎「アルコール発酵とお酒の種類」のお話から、本格的に進みました。

さらに、ワインづくりの歴史、ぶどうの収穫方法、産地ごとの醸造ルールまでを学びました。

フランスの地図を眺めながら、産地に結びついた味の覚え方も教わりました。
講座を受けた後では、頭の中にワインの選び方の体系ができたような感じです。

経験談を交えながらの岡島さんの講義に、ご参加の皆さん、静かに聞き入っていました。
(グラスはいつ使うんだろう・・・と少し不安になりながら?笑)

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
ワイングラスの前にあるコップにはチェイサー用のお水、ではなく「紅茶」が入りました。
一つ一つのコップに別々のエッセンスを入れて、ワインが持つ苦み・甘み・発酵の意味を学びます。大変面白い体験でした。

ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘
そして、とうとう、お待ちかねの、テイスティング。感激もひとしお!です。
ワインは素晴らしいセレクトで、一つ一つの違いが際立っていました。

ここまで来ると、皆さん自然と、ワインの産地や製法等に想いが行きます。

最後に、ワインを開けながら、ソムリエナイフの上手な扱い方も伝授。
ソムリエ岡島直樹さんワイン講座 武相荘

1杯の味わい方、楽しみ方が変わる、すばらしい講座だったと思います。
ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

次回開催・続編開催にも乞うご期待!です。

2016年3月6日更新自在屋”新唐津”のススメ~勝見充男の酒器展

このイベントは終了いたしました。ご来場の皆様まことに有難うございました。

3月27日(日)、能ヶ谷ラウンジで、勝見充男さん主催の「唐津焼現代陶作家の酒器」展示・販売会が開催されます。

勝見充男 自在屋“新唐津”のススメ
※クリックで画像を拡大

骨董酒器数奇、そして武相荘とも縁深い勝見充男さん。”自在屋目線=骨董屋視線”で旬な唐津焼現代陶作家の酒器をセレクト、展示販売するイベントを武相荘 能ヶ谷ラウンジで開催します。使えば使う程馴染み、味のつく唐津焼。この機会に触れてみてください。

  • 場所: 武相荘・能ケ谷ラウンジ
  • 日時: 3月27日(日) 10:00~16:30(武相荘ではこの日のみ開催。終日勝見氏在廊)
  • 作家: 伊藤明美、梶原靖元、菊池克、竹花正弘、田中孝太、浜野マユミ、村山健太郎、吉野敬子、矢野直人

■本展示会に関するお問い合わせ先

岸岳庵
メール: mstmrtrsp@gmail.com
ブログで詳しいご紹介もされています: //blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/39825962.html

2016年3月2日更新『武相荘の春』展〈開催終了いたしました〉

会期:2016年3月1日(火) 〜 5月29日(日)
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)

武相荘 2016春展 囲炉裏の間

正子は、毎年春の訪れを楽しみにしていました。冬が終わりを告げる頃、雑木林が芽吹く直前に淡い紫色に染まってくると、冬から春への季節の変貌を感じ、窓を大きく開け、眼を閉じて微かに漂う春の香りを嗅ぎ逃さないように神経を研ぎ澄ますのでした。

この様な楽しみが味わえるのは、長く寒い冬があってこそと冬感謝しておりました。木々や草花が花をつけ始めると、毎日時のたつのも忘れて眺めいり、「年を取ると次の年にはもう見られないかも知れないと思うと若い頃に眺めていた花々より数倍うつくしく見えるようになった」と、春の訪れと同時に年を重ねる事をも楽しんでいるようでした。

牧山桂子

樺山家誂え『源氏庭遊』(京都・丸平大木人形店製)
樺山家誂え『源氏庭遊』(京都・丸平大木人形店製)

展示風景 (※クリックで拡大してご覧頂けます)
2016年『武相荘の春』展

2016年2月7日更新3月13日(日) 尾久彰三 氏「柳宗悦と白洲正子のことなど」武相荘の講座

こちらのイベントは終了いたしました。有り難うございました。

尾久彰三さんが、自身が敬愛する柳宗悦と、白洲正子について、また彼らのコレクションについてお話しくださいます。

尾久彰三さん。
柳宗悦が創設した日本民藝館で学芸部長などを歴任した、日本きっての民芸研究家です。

モノと美に対する追求は、例えば、ご自身の著書『これは「骨董」ではない』に紹介されている
李朝のポジャギ、屏風絵、日本の浄法寺塗り、メソポタミアの金工品、エジプトのネックレス、アフリカのベッド、イスパノ・モレスク、イギリスの銀スプーンまで
——この幅の広さからも伺えます。

近年ではTV、NHK『温故希林』では樹木希林さんと旅され、NHK教育「知るを楽しむ」での骨董蒐集指南役を勤められました。

今回武相荘の講座では、自身が敬愛する柳宗悦と、白洲正子について、また彼らのコレクションについてお話しくださいます。
ご興味をお持ちの皆様、ふるってご参加ください。

開催概要・お申し込みについては下記をご確認ください。

尾久彰三 氏
韓国の旅の途中で

尾久彰三(おぎゅう しんぞう)氏
プロフィール

1947年、富山県生れ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学科修士課程修了後、1978年、学芸員として日本民藝館に入る。主任学芸員、学芸顧問を歴任し2009年に職を退く。

主著に『愉快な骨董』、『これは「骨董」ではない』、『貧好きの骨董』、『民芸とMingei』(以上、晶文社)、『丸ごと韓国骨董ばなし』(バジリコ)などがある。

開催概要・お申し込み

演題/講師
「柳宗悦と白洲正子のことなど」尾久彰三 氏 講演
日程/会場/定員
  • 2016年3月13日(日) 15:00~16:30
  • 武相荘 能ヶ谷ラウンジにて(アクセス
  • 募集定員: 30名
料金・お申し込み
  • 一般3,500円(税込)ミュージアム入館券付
    下記リンク先のフォームよりお申し込みください。
  • 定員に達したため募集〆切となりました。

    会場で皆様とお会い出来るのを楽しみにしております。
    お申し込み後、万が一キャンセルされる場合には、
    開催3日前までに必ずご連絡お願いいたします。

レストランのご利用

講演会の後にレストランをご利用の方は、別途ご予約をお願いします。
 武相荘レストラン ディナー(コース&アラカルト)

※武相荘の倶楽部とは
年会費で武相荘へのフリーパス、会員専用ラウンジの利用、武相荘開催イベントの先行告知・優待が受けられるメンバーズ倶楽部です。ご興味の方はこちらをご参照下さい。

2016年1月27日更新第2回・お能への誘いの会「忠度」友枝雄人氏・青柳恵介氏 開催レポート

源平の合戦において西の大将軍であった薩摩守、平忠度(たいらのただのり)は武勇に優れ、一方で才能ある歌人でもありました。

歌人としては都で藤原俊成(しゅんぜい)の一門にあった忠度。
(俊成卿は後白河院に千載和歌集の編纂を任された方)

しかし時は源平の争乱となり、平家一門は都落ちすることとなります。
この時、忠度は、俊成卿へ自らの歌を収めた巻物を渡すために、従者数名を連れて都へ引き返します。「落ち人が戻ってきた」と恐れる家人をよそに俊成卿は「忠度殿であれば通せ」と館の門を開きます。
忠度は俊成卿に、卿が編纂する勅撰和歌集への取り上げを願いました。

忠度はとうとう、一ノ谷の戦いで、命を落とします。
立派な武将と思しき相手を討ち取った、武蔵国の住人、岡部六弥太(忠澄)は、相手の名を知ろうと骸に近き、箙(えびら=矢の容れ物)に、文が結いつけられているのを見つけます、そこには旅宿花という題で、一首が歌われていました。

行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵のあるじならまし  忠 度

六弥太は、これを見て驚き、相手が西方の大将軍、薩摩守忠度であったことを知ります。

さて忠度が俊成卿に渡した歌は、後に千載和歌集としてまとめられた勅撰集に載ったのですが、勅勘(朝敵)となっていたため名字はあらわされず、故郷花という題で詠まれたその一首は“詠み人知らず”として入れらてしまいました。

さざ波や志賀の都は荒れにしを昔ながらの山櫻かな

—— 平家物語にあるこの史実の上に今回の能の物語が始まります。

友枝雄人氏・青柳恵介氏
能楽師 シテ方喜多流 友枝雄人氏(左)、国文学者 青柳恵介氏(右)

舞われるご本人をお招きしての、鑑賞チケット付き勉強会「お能への誘いの会」第2回。
今回のお能は「忠度」です。
能楽師の友枝雄人さん(シテ方喜多流)と国文学者の青柳恵介さんをお招きし、忠度、そしてお能に関する沢山のお話を伺いました。

冒頭、まずは青柳さんから、平家物語に描かれた当時の風景と、忠度の人となりについて、いろどり豊かに解説してくださいました。
つづいて行なわれたお二人のトークセッションは青柳さんが雄人さんにインタビューする形で進みました。以降に一部をご紹介いたします。

———

【能曲「忠度」について】
忠度を主人公にしたお能には「忠度」の他に「俊成忠度」がある、今回の「忠度」の方は、軍記物として平家物語により忠実な描写がされており、また武将を主人公とした修羅物でありながらも、大変、雅さのある曲であり、雄人さんにとっては、たいへん演能意欲が高まる曲。

【面(おもて)について】
忠度の面は「中将(ちゅうじょう)」。修羅物ではほとんどがこの面を使う。他の例としては敦盛(あつもり)という曲は主人公が少年で「十六」という面もある。

【装束について】
長絹(ちょうけん)。平家方の死んでいった侍は、ほとんどがこの長絹で、雅さがある。
これに対して義経では法被という重ね着の装束をまとう。
忠度は雅な曲で、装束には一番こだわりたくなる。

【須磨という場所について】
前回「松風」の舞台も須磨であった。蜑(あま)の老人が塩を焼いているような佗しい場所だが、詩情のやどる場所である、都からの微妙の距離感、和歌の世界、雄人さん曰く、お能に描かれる中では、雅な人が負の感情、感傷を楽しむ場所のような印象がある。

【カケリ(翔)について】
カケリとは、能の一場面に入る、荒々しい舞と、笛と鼓で表現される高なり。
忠度では、このカケリが、終盤で歌われる和歌の上の句と下の句の間に入る。

行き暮れて 木の下陰を宿とせば
~〔カケリ〕~
花や今宵の 主ならまし

面白い構成であり、やはり忠度の、歌への執心の強さを表現している部分、
クライマックスになっている。

【その他】
他にも、世阿弥の本にある言葉遊びの面白さ、花に嵐がつきものであることの意味、
能の発声である強吟、和吟についての、実地的/専門的なお話を伺うことができました。

また、今回のトークを通して、雄人さん自身もあらためてお気づきになった観点があるとおっしゃられ、とても臨場感のあるトークセッションになりました。

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盛り上がった勉強会の最後には、何と特別に謡いの実演もして下さいました!!
ここまでの勉強でたくさん着目点が出来た筈なのですが、
いざ謡いが始まると、部屋中が「忠度」の感情でいっぱいになったようになり、
皆さん一心に耳と心を傾けられていました。

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第2回お能への誘いの会 武相荘
第2回お能への誘いの会 武相荘

開催日は、上空を40年ぶりの寒気が覆っているという寒い日でしたが
能ヶ谷ラウンジでの誘いの会は、大変盛り上がり、場所を変えて17時からのお食事会も、みなさんたっぷりと楽しまれたご様子でした。

2月20日、目黒での本番、條風会がとても楽しみです。
ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

お食事 武相荘イベント
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雄人さんが「忠度」を舞われる、2月20日の「條風会」につきましては、リンク先の情報をご確認ください。