『武相荘の春』展 2021〈開催終了いたしました〉

掲載日 2021年3月3日

会期: 2020年3月2日(火)〜5月30日(日)
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)

奥の障子に掛かるのは、呼継ぎの胴服
(織師・田島隆夫の白い紬に染色家・古澤万千子による襟)

猪口・豆皿各種

魯山人の器/リビングのテーブル

正子は、毎年春の訪れを楽しみにしていました。冬が終わりを告げる頃、雑木林が芽吹く直前に淡い紫色に染まってくると、冬から春への季節の変貌を感じ、窓を大きく開け、眼を閉じて微かに漂う春の香りを嗅ぎ逃さないように神経を研ぎ澄ますのでした。

この様な楽しみが味わえるのは、長く寒い冬があってこそと冬感謝しておりました。木々や草花が花をつけ始めると、毎日時のたつのも忘れて眺めいり、「年を取ると次の年にはもう見られないかも知れないと思うと若い頃に眺めていた花々より数倍うつくしく見えるようになった」と、春の訪れと同時に年を重ねる事をも楽しんでいるようでした。

牧山桂子

お雛様 京都の老舗 丸屋大木平蔵人形店製
(白洲正子の初節句から大切にしてきたお雛様、3月31日迄の期間限定展示です)