『武相荘の春』展 2020

掲載日 2020年3月4日

会期: 2020年3月3日(火)〜5月31日(日)
尚、祝日を除く月曜は休館日です。
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)

写真左手)正子の祖母・樺山ともの装束
◎袿(単付)[うちき(ひとえつき)] 二種  ◎檜扇
宮廷に参内する際に着用したものと思われる。

写真右手)正子の初節句から大切にしてきたお雛様
京都の老舗 丸屋大木平蔵人形店製
※4月26日(日)まで展示/当初予定より延長

正子は、毎年春の訪れを楽しみにしていました。冬が終わりを告げる頃、雑木林が芽吹く直前に淡い紫色に染まってくると、冬から春への季節の変貌を感じ、窓を大きく開け、眼を閉じて微かに漂う春の香りを嗅ぎ逃さないように神経を研ぎ澄ますのでした。

この様な楽しみが味わえるのは、長く寒い冬があってこそと冬感謝しておりました。木々や草花が花をつけ始めると、毎日時のたつのも忘れて眺めいり、「年を取ると次の年にはもう見られないかも知れないと思うと若い頃に眺めていた花々より数倍うつくしく見えるようになった」と、春の訪れと同時に年を重ねる事をも楽しんでいるようでした。

牧山桂子