『武相荘の春』展〈開催終了いたしました〉
掲載日 2018年3月1日
会期:2018年2月27日(火) 〜 5月27日(日)
ミュージアム開館時間:10時~17時 (入館は16時半までとなります)
軸「さくら」地主悌助、平戸染付手桶形花入
アクセサリー、李朝白磁台皿
お雛様、樺山家伝来 伊万里白磁桜花形皿
古九谷草花文豆皿、伊万里白磁皿
白洲家伝来お重
正子は、毎年春の訪れを楽しみにしていました。冬が終わりを告げる頃、雑木林が芽吹く直前に淡い紫色に染まってくると、冬から春への季節の変貌を感じ、窓を大きく開け、眼を閉じて微かに漂う春の香りを嗅ぎ逃さないように神経を研ぎ澄ますのでした。
この様な楽しみが味わえるのは、長く寒い冬があってこそと冬感謝しておりました。木々や草花が花をつけ始めると、毎日時のたつのも忘れて眺めいり、「年を取ると次の年にはもう見られないかも知れないと思うと若い頃に眺めていた花々より数倍うつくしく見えるようになった」と、春の訪れと同時に年を重ねる事をも楽しんでいるようでした。
牧山桂子