『武相荘の春』展〈開催終了しました〉
掲載日 2015年2月26日
女神像 —4月1日より新たに展示
武相荘の春 開催にあたって
正子は、毎年春の訪れを楽しみにしていました。冬が終わりを告げる頃、雑木林が芽吹く直前に淡い紫色に染まってくると、冬から春への季節の変貌を感じ、窓を大きく開け、眼を閉じて、微かに漂う春の香りを嗅ぎ逃さないように神経を研ぎ澄ますのでした。
このような楽しみが味わえるのは、長く寒い冬があってこそと、冬感謝しておりました。木々や草花が花をつけ始めると、毎日時のたつのも忘れて眺めいり、「年を取ると次の年にはもう見られないかも知れないと思うと若い頃に眺めていた花々より数倍うつくしく見えるようになった」と、春の訪れと同時に年を重ねる事をも楽しんでいるようでした。
牧山桂子
着物の春の装い、目に楽しい大正時代のランプ、沖縄の素朴な土器「パナリ焼き」も展示