牧山桂子著 新潮社とんぼの本「白洲家の晩ごはん」出版記念講演会

掲載日 2015年9月18日

2015年9月16日(水) 神楽坂 la kagu において、著者の夫であり武相荘館長の牧山圭男が「家族が見た白洲次郎と正子、その暮らし」と題して、講演いたしました。当日の講演会よりエピソードの一部をご紹介いたします。

神楽坂 la kagu
会場の神楽坂 la kagu

牧山圭男(以下省略):「西武百貨店で仕入れの責任者として香港へ出向いたことがあり、その時骨董店に案内されまして。何か買って正子をびっくりさせようというので、これは!という30万円ぐらいの鉢を選んで買って帰ったんです。
正子に見せようと家に着くなり喜び勇んで知らせ、正子も物を見るのは大好きで『早く見せて!』と来たが、ちょっと見ただけで『あ、そう』と言ったきりもう見なかった。その器の話はその後二度と無しです。美や骨董については、常に、妥協が無かったですね。」

牧山桂子著「白洲家の晩ごはん」出版記念講演会
何度も笑いにつつまれた会場

「仕事に熱中する正子は、桂子にとっては理想の母親像とはかけ離れていたようです」が「若い頃からおいしいものを食べに連れて行ってくれたことには、とても感謝している。と言ってます。」

参加者からの質問:「夫婦喧嘩では、次郎さんは小さくなってたと聞きましたが、実際は?」に対して「そういうことは無かったと思いますね。どちらかと言うと、次郎は家にあっても常に紳士だったと思います。」

牧山桂子著「白洲家の晩ごはん」出版記念講演会
講演後サインに応じる牧山夫妻

「僕の印象では、この夫婦は、お互いをゆうゆうと放し飼いにしているような感じがありました。お互い独立していてそれを認め合っている。」

——あいにくの小雨模様での開催となりましたが、おかげさまで、会は終始暖かい雰囲気につつまれていたように思います。ご来場頂いた皆様、誠に有り難うございました。

最後に、今回無事発売となりました「白洲家の晩ごはん」(新潮社とんぼの本/定価1,728円)。
父母である次郎・正子の楽しみとなっていた手料理の数々に加え、現在の息子さん家族との暮らしの中で、新しく生まれている料理や出来事についても楽しく綴られています。
執筆・撮影にはじっくり1年以上を要したそうですが、瑞々しい写真とともに読みごたえのある一冊に仕上がっております。
書店でぜひお手に取ってご覧ください。(武相荘ショップでも販売中)

牧山桂子著「白洲家の晩ごはん」

牧山桂子著「白洲家の晩ごはん」新潮社とんぼの本/定価1,728円

— 手料理の数々とともに、武相荘の瑞々しい景観、普段使いの器139点の情報も贅沢に収録。父母とともに過ごした幼少の頃の思い出から〜現在に至るまで、食を中心に、生活に対する自然で素直な気持ちが綴られている。