【開催レポート】
第15回 お能への誘いの会「三輪 神遊」

第15回お能への誘いの会「三輪 神遊」を2月24日(土)に開催いたしました。
講師は、4月に国立能楽堂でこの「三輪 神遊」舞台本番に挑まれる、主人公を舞うシテ方の友枝雄人氏と、小鼓方の成田達志氏、そして国文学者の青柳恵介氏です。

まず最初は、青柳先生から能作者の世阿弥が下敷きにした、三輪山の神々の伝説と、実在の人々のお話。世阿弥が何を描こうとしたのか。舞台への理解が数段深まった想いがしました。

シテ方の友枝雄人氏からは、能「三輪」の特別な演出を表している小書「神遊(かみあそび)」について「能の格と江戸時代の封建制度との関連性」についての興味深いお話、またこの能は天照大神の天岩戸(あまのいわと)伝説を表してもおり、日本の舞踏の原初の形を取り込んだ能であることが語られました。

囃子方の成田達志氏は、能の五流における「三輪」の相違について、また喜多流の三輪は非常に華やかな曲であることとともに、小書「神遊」がついた場合の、一の笛からはじまる始めの演奏が、一般の能と違う演出になっていることなど、実際の発声も添えて分かりやすく教えてくださいました。

後半には友枝氏・成田氏による実演、さらに参加者ワークショップとして小鼓の演奏体験もさせていただきました。駆け足にも感じるような濃密な90分間となりました。

武相荘 お能への誘いの会 次回開催もどうぞお楽しみに。
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