プリンシプルのない日本(文庫版)

「風の男」、そして「占領を背負った男」——戦後史の重要な場面の数々に立ち会いながら、まとまった著作は遺さなかった白洲次郎が、生前、散発的に発表した文章がこの一冊に。「他力本願の乞食根性を捨てよ」「イエス・マンを反省せよ」「八方美人が多すぎる」など、日本人の本質をズバリと突く痛快な叱責は、現代人の耳をも心地良く打つ。その人物像をストレートに伝える、唯一の直言集。
解説 = 青柳恵介

プリンシプルのない日本

白洲語録 ——本書の記述より

  • 参議院だ衆議院だとあんなに沢山の議員さんが要るのか。どうしても二院制度でなければいけないのか。衆議院だけの一院制度では不十分なのか。こういう本当の根本問題から発足してこの問題を考え直して貰うわけにはいかないのか?
  • 大資本家の割拠する事業は困ってくるといつでも政府がなんとかしてくれる。日本の産業の本当の中枢をなす中小企業はどんなに困っても何にもしてくれない。これで国民の思想の悪化でも憂えていたら世話はない。
  • 政府与党がよからざることをたくらんでいるのならそういう政党、または間接にその政府を選出した国民の不明である。

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