ごあいさつ
武相荘の倶楽部は、2014年の発足以来、メンバーの皆さんと講演会、食事会、ウイスキーの会、遠足など楽しく過ごしてまいりました。
思い起こせば元々、ちょっと変わった経歴の白洲次郎・正子夫妻が幸せな暮らしを求め長いこと掛けて作り上げた武相荘は、時代もあってか当初から、近衛公や吉田茂、細川護立、小林秀雄、梅原龍三郎、河上徹太郎、麻生和子などなどの皆さんが二人の友人として戦争末期から戦後にかけて訪ねてこられ、時局を憂い、国の行く末を案じ、一時の安らぎと食事を楽しみ、次郎の作った米と野菜を土産に持ち帰るサロンでありました。
高度成長期には、次の世代である細川護熙、麻生太郎、神山繁、青柳恵介や三宅一生、赤瀬川源平、若手の編集者や骨董商などの方々も自由に集い、次郎や正子と談笑してうまい飯と酒を楽しむサロンが続いておりました。
知性感性、テーストが近いレベルの人々が出会い、一ときを楽しく過ごし語り合う場がクラブというものです。
次郎も正子も常々、良いクラブとは社会的な地位を持ち込まず、会員はすべて平等でみんな顔見知りで、楽しい交流の場であり美味しい食事ができるところと言っておりました。
勝手に会長と名乗っている私は、会員であることがちょっとスノッブな共感気分を満足させてくれる雰囲気を保っていられればと思っております。
武相荘の倶楽部 会長
牧山圭男
白洲次郎と白洲正子
倶楽部専用ルーム
畑仕事に勤しむ次郎が “がけの納屋” と名付け、愛用の農機具を置いた建物の上階にある。